多発性骨髄腫を発症するとどんな痛みを感じる?Medical DOC監修医がどこに痛みを感じるか・症状・原因・検査法・治療法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

監修医師:
鎌田 百合(医師)
千葉大学医学部卒業。血液内科を専門とし、貧血から血液悪性腫瘍まで幅広く診療。大学病院をはじめとした県内数多くの病院で多数の研修を積んだ経験を活かし、現在は医療法人鎗田病院に勤務。プライマリケアに注力し、内科・血液内科医として地域に根ざした医療を行っている。血液内科専門医、内科認定医。
「多発性骨髄腫」とは?
多発性骨髄腫とは、血液細胞の一つである形質細胞という細胞ががん化した病気です。形質細胞は、体内に侵入した病原体と戦うための抗体を作る細胞です。この形質細胞ががん化することで、役立たずの抗体(Mタンパク)をたくさん作ってしまいます。このMタンパクが血液や臓器の中へ蓄積されることで、多彩な症状を起こします。
その代表的なものの一つが痛みです。痛みは、初診時におよそ半数以上の患者さんで認められるとの報告もあり、生活の質を下げてしまうため適切な対処が必要です。
それでは、多発性骨髄腫ではどんな痛みを感じるのでしょうか?痛みの特徴や治療法、対処法などについて詳しく解説します。
多発性骨髄腫を発症するとどんな痛みを感じる?
強い腰痛
多発性骨髄腫は、骨がもろくなりやすい病気です。
人間の骨は、骨を溶かす破骨細胞と骨を作る骨芽細胞がバランスよく働いています。
しかし多発性骨髄腫を発症すると、骨を溶かす破骨細胞が刺激され、骨が過剰に溶けてもろくなってしまいます。
骨がもろくなっていると、物を持ち上げる、前にかがむなどの軽い力が加わっただけで背骨(椎体)がつぶれてしまうことがあります。これを圧迫骨折といい、強い腰痛を起こします。圧迫骨折自体は比較的頻度の高い病気ですが、実は多発性骨髄腫が原因で発症する場合もあるのです。
下肢のしびれ
圧迫骨折を起こすと、腰の痛みだけでなくしびれや感覚異常を起こすことがあります。
圧迫骨折によってつぶれてしまった椎体が変形し、神経を圧迫することで起こります。しびれだけでなく、足の力が入りにくくなることがある場合もあり、注意が必要です。
鈍痛
破骨細胞が骨を破壊することで鈍痛が生じる場合があります。疼くような痛みと表現されたりもします。
多発性骨髄腫は全身の骨が破壊されていくため、さまざまな部位で鈍痛を感じる可能性があり注意が必要です。背骨、肋骨、骨盤、大腿骨などあらゆる骨に症状が出現する可能性がありますが、痛みの範囲や程度は人によってさまざまです。

