●訴訟に踏み切った理由
深沢氏は、今回の被告には含めなかった新潮社についても、「責任は重いと考えている」と強調する。問題が生じてから、新潮社は謝罪文を公表したが、コラムの内容が「差別」とは認めなかったという。
深沢氏は会見で、新潮社の謝罪文を「刃物を持ったまま、ごめんなさいと言って、刃物を離さないでいるようなもの」などと表現し、「他の作家が新潮社から離れないためのアピールだと私は思っている」と語った。
コラムが書籍という形で再び世に出たことを受け、「著者に対して直接訴えるしかない」「騒動をこの本の刊行のプロモーションにしていて許しがたい」と判断し、提訴に踏み切ったという。
●訴訟を起こしたことを誇りに思うはず
会見には、深沢さんを支援する人権団体「のりこえねっと」の共同代表、辛淑玉氏も同席した。辛氏のもとにも、新潮社からの版権引き上げに関する連絡が届いているという。
「具体的な人数は申し上げられないが、少ない人数ではないとお伝えしておきます」(辛氏)
深沢氏は、コラムの問題以降、長期間にわたる抑うつ状態が続き、治療を続けているという。「この精神状態から脱して、憂いなく作家生活や社会生活を送るためには、この訴訟が不可欠だと思います」「自分が命を終えるとき、訴訟をしたことを誇りに思うはず」と語った。
一方で、訴訟によって、新たな誹謗中傷やヘイトが向けられる可能性への不安も口にした。万が一の事態に備え、家族と相談したうえで、身を隠す場所を確保しているという。
月刊WiLL編集部は同日、弁護士ドットコムニュースの取材に対して「弊社に訴状が届いてない段階で、コメントができない」と回答した。

