夫・忠司に相談した咲良。里奈の幸せを守るため、まずは香澄が神田と別れることが最優先だと考える。香澄は裏切られたショックを抱えながらも、咲良の立ち会いのもと、神田に別れを告げる決意を固めるのでした。
友人に知らせるべきか迷う
「……そんなことがあったのか」
忠司は頭を抱えていました。彼も神田さんとは何度かバーベキューで顔を合わせたことがあり、仲の良い夫婦だと思っていたようです。
「神田さんヤバすぎるな。でも、咲良…香澄ちゃんが本当に知らなかったのなら、彼女も被害者だよ」
「そうなんだけど……。でも、里奈に隠し通すなんてできるかな?私、彼女の顔を見るたびに罪悪感で押しつぶされそう」
まずは妹が決別することを優先することに
私はリビングをうろうろしながら、どうすべきか悩み抜きました。 里奈に真実を伝えて、泥沼の離婚裁判にするのが正義なのか。 それとも、妹が身を引くことで、里奈の「幸せな日常」を守るべきなのか。
忠司は静かに言いました。
「今は、香澄ちゃんがしっかり別れることが先決だよ。彼女がすぐに別れる気でいるなら、波風を立てずに終わらせるのが、里奈さんにとっても一番傷が浅いかもしれない。もちろん、神田さんのしたことは許されないけど……」
翌日、香澄からLINEが届きました。
「お姉ちゃん、明後日に神田さんと会って別れ話をしてくる。でも、1人で行くのが怖いの。そばにいてくれる?」
香澄の文章からは、恐怖と怒りが伝わってきました。騙されていたとはいえ、好きだった人に裏切られ、さらに自分が加害者になりかけていた恐怖。
「わかった。私も行くね」
私はそう返信しました。

