私からたのんだことは一度もない
でも、夜の時間は一分一秒を争う戦場なのです。子どもが寝た後に、ようやく、一人で冷めたご飯をかき込む。その静かな時間が、私にとっては唯一の休息。
「律子、今日はもう奏斗も寝るし、悪いから帰っても大丈夫だよ?」
「えー、まだ寝ないでしょ。ほら、私の指、握ってるよ。かわいい~」
結局、彼女が帰ったのは夜の10時。 私は、彼女に気をつかいながら、彼女が帰った後、ようやく自分の夕飯の片付けを始めるのでした。
仕事帰りのつかれもあるだろうに、なぜそこまでして来るのか。
「涼香、もっと私をたよっていいんだよ?」
帰り際にかけられたその言葉が、なぜかトゲのように胸に刺さりました。
(私は助けてほしいなんて、一度も言っていないのに)
あとがき:その「優しさ」は誰のため?
「子育ては戦場」。一番バタバタする時間にやってくる友人・律子。育児経験者なら、この「ありがた迷惑」に身をよじるような思いがするはずです。
律子の言葉は一見、聖母のように温かいですが、実際には、涼香の生活リズムをムシしたものばかり。本当に相手を思っているなら、まずは「今、大丈夫?」と聞くのが礼儀ですよね。相手の都合をおき去りにした親切は、もはや暴力に近いものがある…。そんな違和感の種が蒔かれた第1話です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

