●「カスハラと認定しない」と結論づけたとき、何が起きるか
──ほかに課題はないでしょうか。
現時点では、いずれの事案もカスハラと認定されている。しかし今後、十分な証拠がないために、結果的に「カスハラがあった」と認定できない場合もあるだろう。そういった場合に行為者を増長させる結果にならないか。警察などと異なって証拠収集能力に限りがある自治体にその責任を背負えるのかという問題も残る。
企業のカスハラ対応で大事なのは、まずは攻撃にさらされている当事者を現場から外し、責任者が対応を引き取ることだ。それでも難しければ、弁護士に依頼し、警察に相談する。カスハラをやる人の「言いやすい相手を選ぶ」という特徴を踏まえれば、対応する相手を変えることが重要だ。
弁護士が介入して、3分で終わるケースもある。基本的には、何より迅速な対応が求められる。
【取材協力弁護士】
能勢 章(のせ・あきら)弁護士
カスハラ専門の弁護士。カスハラという言葉がない時代からBtoCの企業から依頼を受けて困難なカスハラ案件に数多く従事する。著作として『「度が過ぎたクレーム」から従業員を守る カスハラ対策の基本と実践』(日本実業出版社)がある。カスハラ対策及びカスハラ対応に関する情報を発信するサイト「正しいカスハラ対策で従業員を守る方法 - カスハラドットコム (kasuhara.com)」を運営している。
事務所名:能勢総合法律事務所
事務所URL:https://kasuhara.com/

