2. 「今やること」に集中できる状態を守る
受験が近づくと、親の意識はどうしても「結果」に向かいます。
・合格できるか
・どの学校に進むのか
・もしダメだったらどうするか
これは親として自然なことです。
結果次第で2日目以降の出願校が変わることも多いですから、結果を意識しないわけにはいきません。
ただし、結果に対して子どもの意識が向いてしまうと、集中力という点では大きな落とし穴になります。
なぜなら、結果のことが気になると、「今やっている問題」に対して使うはずの脳の処理能力が奪われてしまうからです。
集中力には「使える量の上限」がある
テスト中、子どもが使っているのは、
・問題文を頭に入れておく
・条件を整理する
・考え続ける
といった脳の力です。
これは心理学でワーキングメモリと呼ばれる、非常に限られた脳の作業スペースです。
このスペースが、
・合否の心配
・期待やプレッシャー
・親の反応の想像
で埋まってしまうと、本来使うべき「考える力」が足りなくなります。
その結果、
・知っているはずの解き方が出てこない
・条件を落とす
・ケアレスミスが増える
といったことが起こります。
集中を妨げるのは不合格への不安だけではありません。
「合格したら○○中だね」
「受かったら嬉しいね」
「もうすぐゴールだね」
こうした前向きな言葉も、時に子どもの意識を「未来の結果」に向けさせてしまい、今この瞬間への集中を削ってしまう場合があります。
本番に向けて勉強するうえで、そして本番で問題を解くうえで大事なことは、意識を「今」からそらさずに、目の前の問題に集中することです。
では、どうすれば目の前の問題に集中するのを後押しできるでしょうか。
答えはシンプルです。「ここまでの過程への信頼」です。
「ここまでよく積み重ねてきたね」
「やることはもう変わらないね」
「いつも通りやればいいよ」
こうした言葉は、子どもに結果を背負わせず、意識を「今やること」に戻す言葉です。
「きっと合格できるよ」といった励ましの言葉よりも、今の行動に集中していいという安心感を与えましょう。
これは受験当日でも同じです。
普段から「結果を気にせず、やることに集中しよう」というメッセージを受け取ってきた子は、本番でも自然と「今、この1問に集中しよう」という状態に入りやすくなります。
そうした心の状態でいられれば、培ってきた能力をしっかりと発揮することができますよ。
