「励まし」や「アドバイス」は不要だった。中学受験のプロが教える、本番で子どもが120%の力を出すための「親の引き算」

2. 「今やること」に集中できる状態を守る

受験が近づくと、親の意識はどうしても「結果」に向かいます。

・合格できるか
・どの学校に進むのか
・もしダメだったらどうするか

これは親として自然なことです。

結果次第で2日目以降の出願校が変わることも多いですから、結果を意識しないわけにはいきません。

ただし、結果に対して子どもの意識が向いてしまうと、集中力という点では大きな落とし穴になります。

なぜなら、結果のことが気になると、「今やっている問題」に対して使うはずの脳の処理能力が奪われてしまうからです。

集中力には「使える量の上限」がある

テスト中、子どもが使っているのは、

・問題文を頭に入れておく
・条件を整理する
・考え続ける

といった脳の力です。

これは心理学でワーキングメモリと呼ばれる、非常に限られた脳の作業スペースです。

このスペースが、

・合否の心配
・期待やプレッシャー
・親の反応の想像

で埋まってしまうと、本来使うべき「考える力」が足りなくなります。

その結果、

・知っているはずの解き方が出てこない
・条件を落とす
・ケアレスミスが増える

といったことが起こります。

集中を妨げるのは不合格への不安だけではありません。

「合格したら○○中だね」
「受かったら嬉しいね」
「もうすぐゴールだね」

こうした前向きな言葉も、時に子どもの意識を「未来の結果」に向けさせてしまい、今この瞬間への集中を削ってしまう場合があります。

本番に向けて勉強するうえで、そして本番で問題を解くうえで大事なことは、意識を「今」からそらさずに、目の前の問題に集中することです。

では、どうすれば目の前の問題に集中するのを後押しできるでしょうか。

答えはシンプルです。「ここまでの過程への信頼」です。

「ここまでよく積み重ねてきたね」

「やることはもう変わらないね」

「いつも通りやればいいよ」

こうした言葉は、子どもに結果を背負わせず、意識を「今やること」に戻す言葉です。

「きっと合格できるよ」といった励ましの言葉よりも、今の行動に集中していいという安心感を与えましょう。

これは受験当日でも同じです。

普段から「結果を気にせず、やることに集中しよう」というメッセージを受け取ってきた子は、本番でも自然と「今、この1問に集中しよう」という状態に入りやすくなります。

そうした心の状態でいられれば、培ってきた能力をしっかりと発揮することができますよ。

配信元: マイナビ子育て

提供元

プロフィール画像

マイナビ子育て

育児をしている共働き夫婦のためのメディア「マイナビ子育て」。「夫婦一緒に子育て」をコンセプトに、妊娠中から出産・産後・育休・保活・職場復帰、育児と仕事や家事の両立など、この時代ならではの不安や悩みに対して役立つ情報をお届けしています。