骨折後の回復と寝たきりを防ぐために

骨折後に寝たきりにならないためのリハビリ方法を教えてください
骨折後のリハビリは、寝たきりを防ぎ、早期の回復を促すうえで欠かせません。以前は骨の癒合を待ってからリハビリを始めることもありましたが、現在では処置後の早い段階から無理のない範囲で始めることが推奨されています。
長期間の安静は筋力低下や関節の動きの制限を招くため、痛みのない範囲で関節を軽く動かす訓練を行うことが重要です。
例えば、膝や肘、肩など骨折部位の周囲関節をゆっくり動かすだけでも、可動域を保つ効果が期待できます。骨が癒合し始めたら、理学療法士の指導のもとで歩行訓練や筋力トレーニングを少しずつ取り入れ、全身の機能を回復させます。
また、栄養指導や心理的サポートも併せて受けることで、体力と意欲の両面から寝たきりを防ぐことができます。
再発防止のために意識すべきことを教えてください
転倒の再発を防ぐためには、生活環境の見直しだけでなく、身体の機能を維持する意識も欠かせません。
特に重要なのが、足趾の”把持能力(はじのうりょく)”です。立った状態で重心を前に移すと、身体が倒れないように足趾で踏ん張ります。この働きが衰えると、つまずいた際にバランスを保てず転倒しやすくなります。タオルを足趾でつかむタオルギャザー運動は、この能力を高める簡単な方法です。
また、浴室や脱衣所など滑りやすい場所には手すりや滑り止めを設置し、暗い廊下では夜間照明を活用しましょう。さらに、靴底がすり減っていないか定期的に確認し、安全な靴を履くことも大切です。
理学療法士や作業療法士の指導を受けながら、日常的に運動機能を維持することで、転倒の再発を防ぎ、安全な生活につながります。
編集部まとめ

ここまで高齢の方の骨折は寝たきりの原因になるかについてお伝えしてきました。高齢の方の骨折は寝たきりの原因になるかの要点をまとめると以下のとおりです。
高齢の方の骨折が寝たきりにつながりやすい理由は、骨折後の安静による筋力低下や体力の衰えである。立ち上がりや歩行が困難となり、ADLが低下するため寝たきりにつながりやすくなる
高齢の方の骨折を防ぐためには、転倒を防ぐ環境づくりと、骨を強くする食事や運動が重要である。段差や滑る床の解消、手すりの設置、カルシウムやビタミンDの摂取、筋力維持、これらを心がけるとよい
高齢の方の骨折後は早期から無理のない範囲で関節を動かし、筋力低下を防ぐことが大切である。理学療法士の指導で歩行訓練を進め、栄養や心理面も含めた支援で回復を促す
高齢の方の骨折は、寝たきりの原因となることがあります。まずは骨折しないために、生活環境の工夫で転倒を防ぎ、栄養バランスの取れた食事や運動で骨を丈夫に保つ習慣を日頃から意識しましょう。
骨折後は、早期のリハビリと周囲からのサポートを受け機能回復を目指すことで、自立した生活を長く続けることができるでしょう。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
骨粗鬆症 -転倒などによる骨折が寝たきり・要介護につながる-|公益財団法人 長寿科学振興財団
在宅寝たきり老人の生命予後関連因子に関する研究 —寿命モデルを用いた検討—|J-STAGE

