ピーマンの食べ過ぎで現れる症状は?メディカルドック監修医がピーマンの効果、栄養、効率的な摂取法、保存期間などを解説します。

監修管理栄養士:
會田 千恵美(管理栄養士)
認定こども園で管理栄養士として給食管理・調理・食育を行っています。離乳食アドバイザー(一般社団法人母子栄養協会)・食育インストラクター1級(NPO日本食育インストラクター協会)・和食文化継承リーダー認定を取得し、子供たちが食に興味をもち、おいしいと笑顔で言ってもらえるように励んでいます。
ピーマンとは?

ピーマンは、トウガラシの一種で、辛味のない甘味種に分類される野菜です。比較的大型の果実をつける一群の総称で、主に料理に使われています。 原産地は熱帯アメリカで、「ピーマン」という名前はフランス語でトウガラシを意味する「ピマン(piment)」に由来します。 明治初期に日本へ伝わり、第二次世界大戦後の食生活の欧米化とともに、一般家庭でも広く食べられるようになりました。 現在では、緑・赤・黄色など色や形の異なる品種も多く出回っていますが、一般的に「ピーマン」と呼ぶ場合は、未熟な状態で収穫された緑色のピーマン(青ピーマン)を指すことが多いです。
ピーマンに含まれる栄養素

ピーマンの緑色は、植物に含まれる色素であるクロロフィルによるものです。クロロフィルには抗酸化作用があることが知られており、健康維持への関与が期待されています。 また、ピーマン特有の香り成分であるピラジンには、血小板の凝集を抑える作用が報告されており、血流を良好に保つ働きが示唆されています。 ピーマンの苦味には、ポリフェノールの一種であるクエルシトリンが関与しており、クエルシトリンとピラジンが組み合わさることで苦味を感じやすくなるとする研究もあります。 このほかにも、ピーマンには健康に役立つさまざまな栄養素が含まれています。
ビタミンC
ビタミンCには抗酸化作用があります。また、コラーゲン合成において補因子として水酸化反応に関与します。ピーマンは野菜類の中でビタミンCの含有量は1位なんです。
生のピーマン100g中に含まれるビタミンCの量は、緑ピーマンで76㎎、黄色ピーマンで150㎎、赤ピーマンで170㎎と熟すほどに多くなります。
加熱してもピーマンのビタミンCは損失せず、油炒めした緑ピーマンで79㎎、赤ピーマンで180㎎あります。
ちなみに、レモン果汁の100g中に含まれる量が50㎎です。
ビタミンCは成人で1日100㎎の摂取を推奨しています。
ピーマンの種類 ビタミンC含有量(生100g中) 油炒め後(100g中)
緑ピーマン 76㎎ 79㎎
黄色ピーマン 150㎎ –
赤ピーマン 170㎎ 180㎎
βカロテン
βカロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換される「プロビタミンA」と呼ばれる栄養素です。ビタミンAは、生体の成長や視覚機能の維持、皮膚や粘膜の健康保持、免疫機能の正常な働きに関与しています。 生のピーマン100gあたりに含まれるβカロテン量は、緑ピーマンで400µg、黄色ピーマンで160µg、赤ピーマンで940µgです。 また、油で炒めた場合、緑ピーマンは410µg、赤ピーマンは980µgとなります。加熱調理後の数値がやや高く見えるのは、水分が減少し成分が濃縮されるためです。βカロテンは脂溶性の栄養素であるため、油と一緒に摂取することで吸収率が高まります。 ビタミンAの推奨量は、成人男性(18~64歳)で1日850~900µgRAE、成人女性で650~700µgRAEとされており、耐容上限量は2,700µgRAEです。
カリウム
カリウムは、細胞内液の主要な陽イオン(K⁺)であり、細胞外液の主要な陽イオン(Na⁺)とともに、浸透圧、酸・塩基平衡の調節に重要な栄養素です。
生のピーマン100g中に含まれるカリウムの量は、緑ピーマンで190㎎、黄色ピーマンで200㎎、赤ピーマンで210㎎です。
カリウムは成人男性(18歳以上)で1日3,000㎎以上、成人女性で2,600㎎以上を目標量としています。
食物繊維
食物繊維は、摂取量が多いほど生活習慣病の発症率又は死亡率が低くなる傾向を認めている栄養素です。
生のピーマン100g中に含まれる食物繊維の水溶性と不溶性を合わせた量は、緑ピーマンで2.3g、黄色ピーマンで1.3g、赤ピーマンで1.6gです。
食物繊維は成人男性(18~64歳)で1日20~22g以上、成人女性で18g以上を目標量としています。
ビタミンE
ビタミンEは、抗酸化作用により、 体内の脂質を酸化から守り、細胞の 健康維持を助ける栄養素です。生体膜を構成する不飽和脂肪酸あるいは他の成分を酸化障害から防御するために、細胞膜のリン脂質二重層内に局在します。
生のピーマン100g中に含まれるビタミンE(α-トコフェロール)の量は、緑ピーマンで0.8㎎、黄色ピーマンで2.4㎎、赤ピーマンで4.3㎎です。
ビタミンEは成人男性(18歳以上)で1日6.5~7.5㎎、成人女性で5.0~7.0㎎を目安量としています。過剰摂取による副作用として血液凝固能の低下の研究もされており、成人男性で800㎎、成人女性で650~700㎎を耐容上限量としています。

