老人ホームの費用が高すぎて…。「世帯分離」で安くなるって本当ですか?

【シミュレーション】「住民税非課税世帯」になると、どれくらい安くなる?

具体的に、いくらくらい変わるものなんでしょう? 2〜3000千円くらいなら、手間をかけるのもなぁ……なんて思ってしまうのですが。

2〜3000円どころじゃありませんよ。これは「月額」の話ですからね。年間にしたら相当な差になります。

たとえば、特別養護老人ホーム(特養)に入るケースで考えてみましょうか。世帯分離をしてお母様が「住民税非課税世帯」の第3段階(年金収入等が一定以下)になったとします。

項目課税世帯(子と同世帯)非課税世帯(世帯分離後)差額
食費(日額目安)約1,440円約650円約790円
居住費(日額目安)約2,000円約1,310円約690円
合計(月30日)約103,200円約58,800円約44,400円

月に4万4000円も違うんですか? 年間にしたら50万円以上…。これは、老後の資金計画が根底から変わるレベルですね。

さらに、介護サービスの自己負担上限(高額介護サービス費)も、一般世帯なら月44,400円ですが、非課税世帯なら24,600円まで下がります。合わせれば、月々6万円以上の差が出ることもあるんです。

知らないと怖い!世帯分離の「デメリット」と「リスク」

さて、ここまでは「光」の部分をお話ししましたが、ここからが「プロの厳しさ」です。世帯分離には、デメリットもちゃんとあるんです。

やっぱりうまい話だけじゃないんですね。覚悟はしています。教えてください。

主なデメリットは、大きく分けて3つあります。

世帯分離による主なデメリット

  1. 所得税・住民税の「扶養控除」が受けられなくなる
  2. 健康保険の「被扶養者」から外れる
  3. 高額療養費(医療費)の世帯合算ができなくなる

佐藤さんはお母様を「税制上の扶養」に入れていますか?

はい、年末調整で母を扶養に入れています。それで私の所得税が少し安くなっているはずです。

世帯分離をしても「仕送り」などをしていれば扶養控除を受け続けることは制度上可能ですが、自治体によっては「世帯が別なら生計も別だよね」と厳しくチェックされることもあります。

また、佐藤さんの会社から「家族手当」が出ている場合、世帯が別だと支給対象外になることもありますね。

会社の家族手当……! それは盲点でした。

あとは医療費ですね。もし佐藤さんお一人とお母様が同時に高い医療費がかかった場合、同じ世帯なら合算して「上限を超えた分」を返してもらえるんですが、世帯が別だとそれぞれで上限まで払わないといけません。

つまり、「介護費用で得する分」と「自分の税金や手当で損する分」を天秤にかけないといけない、ということですね。

配信元: 日刊介護新聞

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