蛙化現象の時代『Aぇ! groupのQ&Aぇ!』/テレビお久しぶり#188

蛙化現象の時代『Aぇ! groupのQ&Aぇ!』/テレビお久しぶり#188

「テレビお久しぶり」
「テレビお久しぶり」 / (C)犬のかがやき

長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は『Aぇ! groupのQ&Aぇ!』(フジテレビ)をチョイス。

■蛙化現象の時代『Aぇ! groupのQ&Aぇ!』

“令和の人々がいま本気で気になっていることを、いまもっともガムシャラなアイドルAぇ! groupのQ&Aぇ!が全力で検証していく、ガムシャラアイドル全力検証バラエティ”という、フジテレビ公式による紹介文も全力な番組、『Aぇ! groupのQ&Aぇ!』。正門良規、末澤誠也、小島健、佐野晶哉の4人が挑む今回の検証テーマは、“蛙化現象”。学校をシチュエーションとした即興芝居をおこない、いかに蛙化現象を回避できるかを競う。

審査員は、印象評論家・美有姫、若者文化評論家・原田曜平、そしてぱーてぃーちゃん・信子。また、信子についてきて観覧席に座っていたきょんちぃもコメンテーターとして参加する。即興芝居に挑むのは、佐野晶哉と正門良規。佐野は天然でポンコツっぽいキャラを、正門は掴みどころのない不思議系なキャラを演じている。もしかすると、アレが素なのかもしれない。

番組内では評判が良くなかったものの、私は正門の即興芝居が好きだった。私はああいった、イマイチよく分からんけどいい奴そうではある人って好きだ。緊張感があるというかね。アンドロイドがこちらに合わせて一緒に盛り上がってくれている、そんな感じ。正門良規をアンドロイド呼ばわりしたいわけじゃないのだが、番組内でも信子にダメ出しされていた「モタモタ感」がいとおしいのだ。スムーズではない善良さ。萌えポイントだと思うのだけど、「蛙化現象」の概念がすっかり浸透した現代では、そうとも限らないようだ。

番組は「令和の恋愛ってムズすぎない?」という問いかけから始まるのだが、コレにはまったく禿同である。恋愛って等身大なものじゃなかったのかい。相手の醜い人間らしさが垣間見えるのを嫌うのは「自分の恋人には、恋人として理想的な存在であり続けてほしい」という前提がまずあるからで、それはコミュニケーションというより一種の競技じゃないか、なんて時代遅れなオッサンのざれごと。王子様の、王子様じゃないところを抱きしめるような恋愛物語で育ってきたから、やっぱり蛙化現象ってよく分からないのだ。

心から愛している恋人が、私の風呂場でウンコをしていたら、さすがに蛙化を起こすかもしれない。いや、でも、あなたが「恋人の風呂場で平気でウンコをする人」であることを受け入れるのが愛ってものだろう。私はぐっと我慢して愛し続けよう。しばらくすると、今度は私の風呂場でウンコをして、かつそれに火をつけるようになってしまった。恋人が出たあとの風呂場では、必ずウンコが燃えている。ここまでくれば、イチズな私もさすがに蛙化を起こすだろう。愛にも限界がある。あなたが「恋人の風呂場で平気でウンコをし、かつそれを燃やす人」であることを受け入れるのは、自分のすべてを捨てるのと同じだ。「蛙化現象」とは、時として、自分を守るためのモノでもあるのだろう。すべてを捧げることが美徳とは限らないって、確かに当たり前の話である。

■文/城戸

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