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【歯科医師に聞く】何歳から始めるべき? 「小児矯正」のタイミングと判断基準

【歯科医師に聞く】何歳から始めるべき? 「小児矯正」のタイミングと判断基準

子どもの歯並びが気になりつつも何歳ごろから矯正治療を始めるべきか、お悩みの保護者も多いのではないでしょうか? 小児矯正(1期治療)は子どもの成長を活かしてあごの大きさや歯並びを整えられる一方で、治療が可能な期間が限られます。そこで、最適な開始時期や受診の目安、家庭でのサポートについて、長田歯科医院の長田彩先生に解説してもらいました。

長田 彩

監修歯科医師:
長田 彩(長田歯科医院)

昭和大学(現・昭和医科大学)歯学部を卒業し、鶴見大学小児歯科学講座への入局を経て、現職に至る。むし歯予防の専門知識と技術を活かした診療を実施。また、お子さんが歯科医院に苦手意識を持たぬよう、段階的なステップときめ細やかなコミュニケーションを重視した診療をおこなっている。日本小児歯科学会。

専門家に聞く! 小児矯正を始めるべき適切なタイミングと見極めのサイン

専門家に聞く! 小児矯正を始めるべき適切なタイミングと見極めのサイン

編集部

小児矯正(1期治療)は、一般に何歳ごろから始めるものなのでしょうか?

長田先生

早いケースだと、4~5歳ごろから始めるお子さんが多い印象です。小児矯正のうち、1期治療は永久歯が生えそろってからの矯正(2期治療)とは異なり、子どもの成長を利用できるのが最大の利点です。そのため乳歯の時期か、あるいは永久歯に生えかわる時期のできるだけ早い段階で、治療を始めるのが理想的です。

編集部

始めるタイミングは早い方がよいということですが、「遅くてもこの年齢までは」という目安はありますか?

長田先生

おおよそ9~10歳、犬歯(前から3番目の歯)が生えかわるころが一つの目安です。この時期を過ぎてしまうと、とくに上あごの骨が成長しづらくなるため、あごを広げて歯並びを整える治療が難しくなります。ただ、お子さんの成長は個人差があるため、「気になったら早めに相談すること」が重要です。

編集部

小児矯正(1期治療)では、具体的にどのような治療を行うのでしょうか?

長田先生

1期治療は歯をきれいに並べること自体が目的ではなく、永久歯が正しい位置に生えるためにあごの大きさや形を整えることを目的とした治療です。具体的には、これから生えてくる永久歯がきちんと並ぶように、あごを少しずつ広げたり、上下のあごの位置関係を整えたりしていきます。これにより、永久歯が重なって生えたり、噛み合わせに問題が出たりするリスクを減らすことができます。

編集部

子どもの歯並びで、保護者がとくに注意して見ておきたいポイントを教えてください。

長田先生

一番わかりやすいのは、「歯並びのガタつき」です。例えば、5~6歳ごろに下の前歯が生えかわる際、乳歯が抜けないまま永久歯が裏側から生えてきてしまい、心配になって受診する人もたくさんいます。また、乳歯の歯と歯の間にすき間がないお子さんは、次に生える永久歯がきれいに並びきれないことがあります。その場合、将来的に歯並びが乱れる可能性を伝え、あごを広げる装置を提案しています。これは1期治療のなかでも、永久歯が並ぶためのスペースを確保する代表的な方法の1つです。

編集部

歯並びの見た目以外に、保護者が気づけるサインはありますか?

長田先生

下の歯が上の歯よりも前に出ている「反対咬合(受け口)」や、奥歯で噛んでも前歯が閉じない「開咬」なども要チェックです。こういった機能的な問題は、永久歯が生えそろう前に改善してあげたほうがよいため、気づいたら早めに相談してもらいたいと思います。

編集部

矯正相談ではどのような点を確認したり、質問したりするとよいでしょうか?

長田先生

まずは、保護者が「どこが、どのように気になるか」を具体的に伝えてもらうことが大切です。実際、親御さんが気になる箇所と、歯科医が専門的に診て治療すべきだと判断する箇所が異なるケースは少なくありません。この認識のズレを埋められないまま治療に進むと、トラブルの原因にもなりえます。そのため、相談の際は「どの部分を、どこまで治す必要があるのか」を確認し、歯科医師と方向性をすり合わせることが大切です。

そもそもなぜ必要? 小児矯正のメリット・デメリット

そもそもなぜ必要? 小児矯正のメリット・デメリット

編集部

乳歯の段階で歯並びが悪くても「永久歯に生えかわるから様子を見よう」と考える保護者も多いと思いますが、早期に治療を始めるメリットは何でしょうか?

長田先生

繰り返しになりますが、一番のメリットはお子さんの成長する力を最大限に利用できる点です。永久歯が生えそろってからの矯正では、歯を並べるスペースが足りない場合に抜歯が必要になることも少なくありません。しかし、早い時期であれば、あごを広げながら永久歯を正しい位置に誘導する治療が可能となります。また、口呼吸や舌の位置・クセといった歯並びを悪くする原因を改善できるのも大きな利点です。幼少期にこれらのクセや習慣を治しておくことで、矯正後の「後戻り」も起こりにくくなります。

編集部

とはいえ、幼い時期から矯正治療を始めるデメリットはないのでしょうか? 小児矯正の注意点もあわせて教えてください。

長田先生

一番の課題は「お子さんの協力度」だと思います。小さいうちは装置を入れるのを嫌がったり、決められた装着時間を守れなかったりすることも多いため、保護者のサポートが不可欠です。お子さんへの声かけや、上手に使えたらシールを貼って褒めてあげるなど、親子で一緒に頑張っていく姿勢が重要になります。くわえて、成長や歯並びの変化に合わせて、装置の調整や作り替えが頻繁に必要になる点もあらかじめよく理解しておきましょう。

配信元: Medical DOC

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