メニエール病と付き合ううえで知っておきたいこと

症状がよくなっても薬は続けたほうがよいですか?
はい、症状が改善してもしばらくの間はお薬を続けることが推奨されます。めまい発作が起きなくなっても、内耳にはなお内リンパ水腫が残っている可能性があるからです。メニエール病は再発しやすい病気のため、自己判断で薬をやめてしまうとせっかくよくなった症状がまたぶり返す可能性があります。
症状のコントロールと発作予防のためには長期にわたる薬物治療が必要となるため、医師の指示どおりに内服を継続することが重要です。そのうえで、症状が完全に消失し十分な時間が経過したと医師が判断した場合には、段階的に減薬あるいは中止することも可能です。勝手に治ったと思い込まず、通院して経過を報告しながら医師と相談して治療計画を決めるようにしてください。
睡眠不足が症状を悪化させることはありますか?
はい、睡眠不足はメニエール病の危険因子です。過労やストレス、睡眠不足はメニエール病の症状を悪化させることが知られています。
十分な休息が取れずにいると、内耳の血流やリンパ液のバランスにも影響し、めまい発作を誘発しやすくなると考えられます。そのため、メニエール病と診断されたら睡眠時間をしっかり確保することが大切です。快適な睡眠のために就寝前のスマートフォンやカフェインを避けたり、入浴で身体を温めたりといった工夫も有効です。また、仕事や家事で疲れを溜めすぎないよう適度に休息日を作る、ストレス発散の時間を持つことも症状悪化の防止につながります。睡眠不足の解消とストレスコントロールは、メニエール病と上手に付き合ううえで欠かせないポイントです。
症状改善に効果がある食事のポイントはありますか?
はい、食事や栄養の中でもアルコールを制限することが重要です。特に寝る前のアルコール摂取は睡眠の質を著しく下げ、発作の引き金となる可能性があります。また塩分制限、カフェインの摂取制限によってメニエール病発作を減らすことができるかについて検討されていますが、現状明確な医学的エビデンスは見つかっていません。過剰に食事制限をするというよりは、3食しっかり摂取し、栄養バランスのよい食事を意識することが体調の安定につながります。
症状緩和のための生活のポイントを教えてください
メニエール病と長く付き合っていくには、生活習慣を整えて発作を予防することが欠かせません。まず基本となるのは規則正しい生活です。毎日できるだけ決まった時間に起床・就寝し、3食きちんと食べ、睡眠時間を十分に確保しましょう。先述のとおり睡眠不足や過労は発作の誘因になりますから、無理のない生活リズムを維持することが大事です。特にお仕事をされている方は、疲労やストレスを溜めすぎないよう適度に休息をとってください。ストレスが多いと感じるときは、趣味やリラクゼーションの時間を意識的に作り、上手に発散しましょう。
編集部まとめ

メニエール病は繰り返すめまいと難聴で日常生活に影響を及ぼすつらい病気ですが、適切な治療と生活改善によって症状のコントロールは十分可能です。薬物療法を中心に、必要に応じて生活指導や外科的な治療を組み合わせることで、たとえ完治が難しくとも症状と上手に付き合っていくことができます。メニエール病は命に関わる病気ではなく、治療と工夫次第で普段どおりの生活を取り戻せる可能性が高い病気です。適切な治療を続けつつ生活習慣を整えることで、メニエール病とうまく付き合いながら快適な毎日を取り戻していきましょう。
参考文献
『メニエール病』(順天堂大学医学部附属順天堂医院)
『めまい』(兵庫医科大学病院)
『めまい』(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)

