ユーイング肉腫は、小児や若年者に発症しやすい骨のがんです。
症例の少ない希少がんで、治療法の研究は発展途上となっています。
ユーイング肉腫で心配なのが再発です。再発すると治療成績に影響が出てしまうためです。
今回はユーイング肉腫の再発について知っておきたいポイントを、ユーイング肉腫の検査法や治療法といった基礎知識と一緒に解説します。
患者さんや家族も知識を持って、協力して治療を受けられるようにしておきましょう。

監修医師:
眞鍋 憲正(医師)
信州大学医学部卒業。信州大学大学院医学系研究科スポーツ医科学教室博士課程修了。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本医師会健康スポーツ医。専門は整形外科、スポーツ整形外科、総合内科、救急科、疫学、スポーツ障害。
ユーイング肉腫とは?
ユーイング肉腫とは、骨や骨の内部である軟部組織に発生するがんです。骨の関節部分から離れた、骨幹部に発生しやすい点が特徴です。発症部位は骨ユーイング肉腫の場合、約50%が四肢であり、ほかに骨盤や肋骨にも生じます。
一方で骨外性ユーイング肉腫の場合は、体幹や四肢遠位部などに多く発症します。
以下ではユーイング肉腫の再発原因や治療法に触れる前に、基礎知識として知っておきたいユーイング肉腫の特徴から詳しく解説するので参考にしてください。
若い世代にできる希少がん
ユーイング肉腫は、10歳代の小児期から青年期の世代に多く発生するがんです。小児の骨に発生するがんでは、骨肉腫に次いで2番目に多く、日本では年間約50人が発症しています。
日本でがんと診断される患者さんは、上皮内がんの患者さんを除いて年間約945,000人です。比較すると、ユーイング肉腫が希少がんであるとよくわかるでしょう。ユーイング肉腫は希少がんであるために治療データや研究データが少なく、病態解明や治療開発は発展途上にあります。
遺伝子により罹患しやすくなる
ユーイング肉腫は、染色体内にある遺伝子に生じた異変をきっかけに発症しやすくなることが解明されています。異変が生じる染色体は、22番染色体・11番染色体・X染色体の3つの染色体です。これらの染色体で生じた異常から生成された融合遺伝子が、ユーイング肉腫の発症を促していると解明されました。
同じようなメカニズムで発症する疾患に、未分化神経外胚葉腫瘍とアスキン腫瘍があります。これらの疾患は骨ユーイング肉腫・骨外性ユーイング肉腫とまとめて、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍(ESFT)と呼ばれます。
腫れやしこりが症状の一つにあげられる
ユーイング肉腫を発症すると、以下のような症状が現れます。
断続的な骨の痛み
骨周辺の腫れ
足の動かしにくさ
排尿障害
ユーイング肉腫の患者さんは思春期の患者さんが多いため、骨の痛みや違和感を成長痛と混同してしまい、病気の発見が遅れるケースが少なくありません。
症状から見極めることは大変困難ですが、いつも同じ場所が痛かったり、日中も痛みが出たりする場合は一度医療機関で検査を受けることをおすすめします。
限局性や転移性といった種類に示される
ユーイング肉腫は腫瘍の広がり方から、限局性と転移性に分けられます。腫瘍が原発部位に留まっている、または領域リンパ節を越えて広がっていないならば限局性です。
一方で、体内に転移が見られるならば転移性です。ユーイング肉腫の転移は、全体の25%のケースで見られます。肺・骨・骨髄に転移するケースが多い点が特徴です。
ユーイング肉腫は限局性と転移性で生存率が大きく異なることを知っておきましょう。限局性の場合は治療法が確立されているため、3〜5年の無病生存率は約70%です。しかし、治療法が確立されていない転移性の場合、3〜5年の無病生存率は約20%に留まっています。
ユーイング肉腫が再発したら?
ユーイング肉腫と診断されてから2年以内に再発が起こると、治療をしても元の健康状態を取り戻せないリスクが高まると考えられています。
今のところ再発後の治療法は確⽴されていません。化学療法を中心に治療を行いますが、治療効果は十分ではありません。ただし、肺のみへの転移であれば、一定の治療効果が見込めます。

