ユーイング肉腫が再発する原因
希少がんであるために研究が遅れていたユーイング肉腫ですが、発症や再発のメカニズムが解明されつつあります。ユーイング肉腫研究の前進に伴って、治療法の開発や進展が期待されています。
再発腫瘍が原発巣から枝分かれしていた
ユーイング肉腫原発部位の腫瘍と再発した腫瘍のゲノム解析を行った結果、特殊なメカニズムで再発が起こっている可能性が明らかになりました。再発した腫瘍は原発の腫瘍とは枝分かれした遺伝子構造を持っており、診断の約1〜2年前からすでに体内に隠れていたと判明したためです。
この解明によって、再発する原因はユーイング肉腫の診断がつく以前から体内に生じているため、早期から検査で再発リスクを確認できる可能性が出てきました。直接的な治療法の確立にはいたっていませんが、リスク早期発見が叶う可能性があり、今後の治療法確立の足がかりとなっています。
複数の染色体構造が異常な状態になっている
再発メカニズムの理解を深めるため、ユーイング肉腫発症の原因もここで詳しく解説します。ユーイング肉腫発症には染色体で生じる異常が関わっていると前述しましたが、具体的にはどのような異常が起こっているかも研究で明らかになっています。
ユーイング肉腫発症に関わる染色体異常とは、連環染色体断裂融合によるゲノム異常です。連環染色体断裂融合とは、複数の染色体構造異常がループ状に次々と連結していくような、複雑な異常形式を指します。連環染色体断裂融合によって形成される融合遺伝子が変異を起こし、やがてユーイング肉腫を引き起こす腫瘍や再発腫瘍に分岐していくと考えられています。
ユーイング肉腫発見のための検査法や治療法
ユーイング肉腫の検査法と治療法を解説します。限局性と転移性では治療法が異なる点も確認しておきましょう。
生検
ユーイング肉腫の確定診断のためには、病理検査が欠かせません。病理検査のなかでも、発症部位から採取した組織を観察し、腫瘍の種類を特定するため詳しく検査することを生検といいます。
ユーイング肉腫の生検では、次のようなポイントが確認されます。
MIC2遺伝子から作られるCD99の確認
NKX2.2の確認
EWS-FLI1あるいはEWS-ERGを含むキメラ遺伝子の有無
生検によって腫瘍の種類が特定されると、効率のよい治療が可能になります。
造血幹細胞を用いた大量化学療法
発症したユーイング肉腫が転移性まで進行していた場合、化学療法で治療を行います。具体的には、大量化学療法を併用した造血細胞移植や多剤併用化学療法を、患者さんに合わせて複合的に行います。
ただしこれらの治療法が治療成績を改善するかどうか、十分な科学的根拠は得られていません。
摘出手術
発症したユーイング肉腫が限局性の段階で治療を開始できた場合、摘出手術を中心とした複合的な治療法が適用できます。
まず術前化学療法で腫瘍を弱体化させ、可能であれば外科手術、難しければ放射線治療といった治療で腫瘍の切除や弱体化を行います。外科摘出手術を行うか否かは、患者さんの身体の状態や腫瘍の部位・サイズなどから判断します。
緩和療法
がんの治療において緩和ケアは重要です。がんを発症すると患者さんだけではなく、患者さん家族も一緒になって身体的・精神的・社会的な苦痛にさらされるためです。早期から医療スタッフや公的な相談窓口など、相談先を見つけておくことをおすすめします。

