胸膜中皮腫の初期症状
さらに病気が進行するとさまざまな症状が現れてきます。ここでは、中皮腫が進行した際に起こる症状についてご紹介します。
胸痛
胸膜中皮腫が大きくなり、胸壁に浸潤するようになると、その部位に痛みを感じるようになります。胸痛や背部痛として自覚するようになり、この痛みは病気の進行につれて強くなります。
胸痛や背部痛がある場合には、一般内科や呼吸器内科・外科を受診するようにしましょう。
体重減少
胸膜中皮腫が進行すると、体重減少が起こることがあります。しかし、胸膜中皮腫に特徴的とは言えない症状です。
ダイエットしているわけではないのに、体重が減少する場合、何らかの病気が隠れている場合もあります。例えば、糖尿病や甲状腺機能亢進症 などの代謝内分泌疾患、結核や慢性関節リウマチなどの炎症性疾患、がんなどの悪性疾患などがあります。
思い当たる原因が特にないのにも関わらず体重減少がみられるような場合には、一度内科受診を検討するようにしましょう。
発熱
胸膜中皮腫が進行すると、発熱や寝汗がみられることもあります。しかし、これも胸膜中皮腫にのみ見られるというわけではありません。がんが原因となる発熱は腫瘍熱といいますが、発熱の原因は肺炎などの感染症のこともあります。発熱が長引く場合には、いずれにしても原因を明らかにする必要があります。内科を受診するようにしましょう。
中皮腫の原因
中皮腫の原因として、大きなものにアスベスト曝露があります。ここでは、アスベストに関連した原因を中心に3つご紹介しましょう。
アスベストに関係する職場に勤めていた
アスベストは胸膜中皮腫の主な原因と考えられています。アスベストは、天然の繊維状の鉱物です。
アスベストは、鼻や口から吸い込まれて、肺の一番小さく末端の構造である肺胞まで到達します。そしてその一部が肺胞を貫通して胸膜まで達し、数十年と長い年月をかけてがん化するのではないかと考えられています。
アスベスト鉱山や製造工場、造船業、車両の製造、建築業などで働いていた方は、アスベスト曝露歴がある可能性があります。
無症状であっても「アスベストにさらされる作業に従事していたかもしれない」と心配な場合には、相談窓口や、石綿関連疾患に詳しい医療機関に相談するようにしましょう 。
家族を介した曝露や近隣居住による曝露
アスベスト関連の作業をしていた家族の衣類や持ち物を通じて、家庭内でもアスベストに曝露されることがあります。また、石綿工場の近隣に住んでいた場合にも、微量ながらアスベストにさらされる可能性があります。
曝露から長期間経過
アスベストにさらされてから、中皮腫が発症するまでの潜伏期間は25〜50年ほどと考えられています。
日本では、1980年代半ばまでアスベストが輸入され、使用されてきました。そのため、今後2030年ごろに中皮腫の発生ピークが起こるだろうと予想されています。

