神経鞘腫とは、神経を包んでいる膜に腫瘍ができる病気です。基本的には良性であり、癌のように転移することは少ないといわれています。
しかし腫瘍ができる場所によって症状が異なり、手術に高度な技術が必要となる場合もあります。そのため、詳しい症状や後遺症などのリスクを把握することは大切です。
そこで本記事では、神経鞘腫の初期症状・検査・診断方法をご紹介するので、参考にしてください。
※この記事はメディカルドックにて『「神経鞘腫」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
神経鞘腫の初期症状と検査・診断方法

神経鞘腫の初期症状ついて詳しく教えてください。
この病気の中でも、最も頻度が多いのが聴神経鞘腫です。そのため、初期症状は聴神経鞘腫によって引き起こされる次のようなものが挙げられます。耳鳴り
聴力低下
ふらつき
めまい
顔面麻痺
また身体の表面に近い末梢神経から生じた場合には、こぶとして見た目でわかるケースもあります。
神経鞘腫を放置すると姿勢にも影響が出てくるのでしょうか。
神経鞘腫を放置すると、姿勢に影響が出ることがあります。例えば、脊髄に神経鞘腫が起きた場合などに、手足の痺れなどが起きることで立っている時の姿勢や歩行時の動作などに悪影響が出るのです。また、神経鞘腫が発生した場所が筋肉を支配している場合は筋力の低下などの症状が現れる可能性があります。その結果、姿勢や動作に影響する可能性もあるでしょう。
神経鞘腫の検査・診断方法を教えてください。
神経鞘腫の検査と診断方法は次の通りです。CT検査
MRI検査
電気生理検査
CT検査やMRI検査による画像検査にて腫瘍の大きさ・形状・場所・性質などを調べて、どの神経から発生した病気かを診断します。また、他の脳神経や血管との関係など、手術に関係する血管の走行などの把握にも役立つため非常に重要です。
また、神経の機能を確認するために電気生理検査を行うケースもあります。
例えば、聴神経鞘腫の場合であれば、音に対しての脳の反応を見るなどの検査方法です。
編集部まとめ

神経鞘腫とは、末梢神経の周りを包んでいる膜から発生する病気です。一般的には良性ですが、基本的な治療は摘出手術が挙げられます。
悪性化が心配される点や、早期の摘出の方がより簡単に全摘出できる可能性があるためです。しかし、手術には必ず後遺症などの心配もあります。
後遺症も含めて把握した上で、治療を行うことが大切です。手術や病気について疑問がある場合や身体に少しでも症状や違和感を覚えた場合には、専門の医療機関に相談しましょう。
参考文献
神経鞘腫(慶応義塾大学医学部外科 脳神経外科学教室)

