夫の不在時に居座る律子は、自身を涼香の「親代わり」と称し、夫が帰らないのは、「自分という安心材料があるからだ」と独善的な主張を展開する。その傲慢な本性を知った涼香は、彼女の親切が自己満足だと確信し…。
夫が飲み会だった日のこと
その夜、夫の浩二は会社の飲み会でした。
「遅くなる。連絡できないかも」というメッセージ以降、深夜になっても、音沙汰がありません。 そして、その日も律子はわが家に居座っていました。
「浩二さん、まだ帰らないのー?もう23時だよ」
「うん、飲み会だって言ってたから……。律子、もう遅いし、本当に帰って。明日も仕事でしょ?」
「いいよ!心配だもん。涼香を一人で待たせるわけにいかないし。浩二さんが帰ってくるまで、一緒にいてあげる」
夫が遅くまで飲めるのは友人のおかげ?
結局、彼女が帰る気配を見せないまま、日付が変わろうとしていました。
24時少し前。ようやく浩二から「今から帰る」と連絡が入りました。 それを聞いた律子が、ふと、勝ち誇ったような、あるいは、あわれむような顔をして言ったのです。
「……ねえ、涼香。浩二さんがこうやって、飲み歩いて連絡もよこさないのって、どうしてか分かる?」
「え?お酒が入って忘れてるだけでしょ。いつものことだよ」
「ちがうよ。浩二さんはね、私がここにいるって知ってるから、甘えてるの。私が涼香の"親代わり"として、しっかり支えてるって分かってるから、安心材料にして、羽をのばしてるんだよ」
……親代わり? 耳をうたがいました。
彼女は、自分のことを私の「親代わり」だと思っている?
私と彼女は同い年。ただの高校の同級生です。

