少しずつ冷静になる友人
すると、電話の向こうから、うめくような声が聞こえてきました。
「……わかってる……わかってるよ……」
真由の声は、徐々に弱々しいものへと変わりました。
「彼といたら平和な毎日を手に入れた気がして、余計に怖くなったの。あの男にまた怒鳴られるのが。離婚裁判とか、弁護士とか、そんな難しいことにも向き合える気がしない。でも、バレずに彼とずっと居れば、全部忘れられる気がして……」
これが真由の本音でした。でも、そんな都合のいいことは長続きするはずがありません。
「逃げても、現実は追いかけてくるよ。それに、1人で戦わなくていいんだよ。弁護士さんを探そうよ。私も助けるから」
真由の声が、少しずつ、昔の彼女のように落ち着きを取り戻していくのが分かりました。
「……ありがとう奈美恵。そうだね。ちゃんと清算しないといけないよね…ごめんね、ずっと目を背けてしまって」
この日から、私と真由は離婚に向けて一緒に動くことになりました。
あとがき:叫びの裏に隠された、剥き出しの悲鳴
真由の激しい怒りは、実は図星を突かれたことへの「恐怖」の裏返しでした。モラハラによって自尊心を削られた彼女にとって、不倫は唯一の鎮痛剤だったのかもしれません。しかし、奈美恵が怯まずに叱咤したことで、真由はようやく一人の母親、そして一人の人間としての自分を取り戻しました。衝突の先にある、本当の和解を目指したエピソードです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

