住宅型有老入居者のケアプラン1割負担? 長年の審議課題にいよいよ決着か①

住宅型有老入居者のケアプラン1割負担? 長年の審議課題にいよいよ決着か①

2027年4月の介護報酬改定ついて話し合う社会保障審議会介護給付費分科会の本格的な議論がいよいよ来年からスタートします。

ここ数回の報酬改定に関する議論では常に「ケアプラン作成時の利用者自己負担を設けるかどうか」がテーマに上がっていましたが、いつも賛否両論で結論が出ず「継続審議」で終わってきました。

今回は、その議論について一部ですが決着がつきそうです。
12月8日に共同通信が「厚生労働省が住宅型有料老人ホームの入居者についてケアプラン作成の自己負担を求める方向で最終調整に入った」と報じました。

同社によれば、厚生労働省は年内にも正式決定する見込みだそうです。

それに先立つ12月4日、外国人介護人材をテーマにしたセミナーが大阪で開催されました。

その中で次期介護保険制度改正・介護報酬改定の動向も話題になりました。

元厚生労働省福祉人材確保室の職員である講師は、ケアプランの自己負担導入論について、個人的な予想と前置きしながらも「近年は『導入賛成派』が増えてきている印象がある。次回の改定で盛り込まれる可能性がある」とコメントしていました。

その予言が見事に的中した形になりました。

ここでケアプランの自己負担導入について、賛成・反対それぞれの主張を簡単に整理してみます。

〈賛成派の意見〉
○利用者負担を設けることで介護保険財政悪化ペースが鈍り、制度の持続可能性が高まる
○ケアマネジャーの処遇改善につながる
○費用負担が発生することで、利用者に「優秀なケアマネジャーに依頼しよう」という意識が生まれる。競争原理が働くことでケアマネジャーの質の向上が期待できる

〈反対派の意見〉
○利用者の負担が増えることで、介護保険サービスの利用控えが起こる
○ケアマネジャーにとって利用者や家族が「お客様」になってしまい、その意に沿ったケアプランを作らざるを得なくなるなど、公平性・中立性が損なわれる。

特に反対派は、利用控え=要介護度の進行=結果的に介護給付が増えるという三段論法で「例え目先の算盤勘定は楽になったとしても、長期的には財政が悪化する」という主張をしてきました。

その「利用控え」についてあるデータを紹介します。
10月末に日本労働組合総連合会(連合)が全国の1000人(40歳以上)を対象に、介護に関する意識調査を行いました。

その中で「介護保険サービス利用時の自己負担割合が増える可能性についてどう考えているか」を選択肢の中から複数回答可で答えてもらったところ、1位・2位は負担増や利用控えなどに対する懸念でした。

その一方で「介護サービスの維持・確保のためには仕方がない」「介護人材確保のために必要」「介護費用抑制のためにやむを得ない」「介護保険料の負担軽減のために仕方がない」といった「全面賛成ではないが、今後のことを考えれば容認」といった意見が3~6位を占めました。

今回の調査は介護サービス利用時の負担割合に関してですが、ケアプラン作成時の負担導入についても同様の回答になるのではないかと予想されます。

このように国民の中でも「自分に介護が必要になったときに、介護サービスが存在しなくなっているよりは、自己負担が少し増えてでも制度が存続している方がいい」という考えがあります。

・2025年8月から変わった介護施設の自己負担について

これには核家族化の進行や子どもなど「将来自分の介護をするかもしれない世代」の意識の変化などで「公的な介護サービスに頼らざるを得ないだろう」という現実感が強くなっている現れとも言えるでしょう。

今回、厚労省が一部ですが自己負担を導入する意向を固めたのは、こうした状況で「機は熟した」と判断したと思われます。

しかし、なぜ住宅型有料老人ホームなのでしょうか?

これについては次のコラムで検証してみます。


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