整腸剤の「やめどき」はいつ? 賢い使い方・やめ方
編集部
整腸剤を飲む場合、いつまで飲み続けるべきか「やめどき」が分かりません。
舛森先生
よい質問ですね。薬を飲む上で最も大切なのは「目的」と「期間」をはっきりさせることです。整腸剤も例外ではありません。
編集部
目的ごとの「期間」の目安を教えてください。
舛森先生
はい。まず「抗菌薬による下痢予防」が目的の場合ですね。これはやめどきが明確で、抗菌薬(抗生物質)を飲み終わるタイミングで、整腸剤も一緒に終了となります。
編集部
では、「便秘の改善」が目的の場合はどうでしょう?
舛森先生
その場合は、まず「2~4週間」のお試し期間を設けることをおすすめします。その期間飲んでみて、ご自身の症状(お通じの回数や硬さなど)が改善するかを客観的に判断してみてください。もし効果を実感できなければ、漫然と続ける必要はないかもしれません。効果を感じないのに「お守り代わり」に飲み続けることは、医療費の無駄遣いにも繋がってしまいますからね。「やめる勇気」を持つことも大切です。
編集部まとめ
整腸剤は「お腹の調子を整える万能薬」というイメージがありますが、舛森先生のお話から分かるのは、効果がはっきり証明されている場面は意外と限られているという事実です。とくに有用性が確立しているのは、抗菌薬(抗生物質)を服用した際の下痢予防であり、それ以外のケースでは効果は限定的で、過度な期待は禁物です。整腸剤を上手に使うために大切なのは、「得意な場面を知ること」「目的と期間を決めること」が重要です。抗菌薬と併用する場合は抗菌薬終了まで、便秘などの改善目的なら2~4週間を目安に効果を見極め、改善がなければ続けない判断も重要です。
参考文献
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ビオフェルミン製薬株式会社. ビオフェルミンR散/ビオフェルミンR錠 医薬品インタビューフォーム. 2025年10月改訂(第18版)

