
1月19日に放送された野球トークバラエティ「ダグアウト!!!」(毎週月曜夜10:00-11:00、BS10)。今回のゲストは埼玉西武ライオンズや東北楽天イーグルス、さらにメジャーリーグでも活躍して数々のタイトルを獲得してきた松井稼頭央だ。MCの岡田圭右と上重聡とともにイチロー選抜試合のエピソードやPL学園の先輩後輩トーク、さらに引退を決めた瞬間の心境まで赤裸々に語った。
■「必死でした」レジェンドが集結した“夢の試合”を振り返る
番組冒頭で話題に上がったのは、2025年8月におこなわれた「イチロー選抜KOBE CHIBEN」と高校野球女子選抜との一戦。松井稼頭央のほか、松井秀喜や松坂大輔といった球界を代表するレジェンドたちが出場したエキシビションマッチだ。
この試合の感想を聞かれた松井は「必死でした」と一言。イチローがピッチャーを務め、自身はショートを守る。豪華すぎる布陣だけに、“ミスは許されない”と大きなプレッシャーを感じていたという。
松井はイチローや松井秀喜といったスター選手たちの存在感を前に「入る余地がなかったです」と謙遜したものの、結果は3打数2安打と堂々たる活躍を見せた。MCの岡田が「翌年、イチローさんからオファーがあるかもしれませんよ」と投げかけると、「次はもう一個上を行かないといけないので、そこを目指していきたい」と前向きな言葉を口にする。
現役を退いた今も衰えないアスリート魂と野球に対する真摯な姿勢には、岡田も感心しきりの様子だった。
■PL学園の先輩後輩トークにスタジオ爆笑
松井とMCの上重は、ともに名門・PL学園出身という共通点がある。番組冒頭から大先輩を前に緊張気味の上重だったが、岡田が「あんまり“PLPL”してない」と語ったように松井の雰囲気はどこか柔らかく紳士的。
2年先輩の坪井智也、1年先輩の今岡真訪らも含め、松井の世代は落ち着いたカラーが特徴のようだ。上重は「新世代のPLですね」と表現したのだが、その後の世代にはサブローや福留孝介といった個性派も控えている。岡田の「古きPLが復活したよね」という言葉に、スタジオは大きな笑いに包まれた。
番組序盤の恒例コーナー「俺のベスト9」では、松井が1番に大先輩イチローの名前を挙げる。走塁の名手である松井でさえ、イチローがライトを守っていると大きなプレッシャーを感じていたという。ちなみに8月の試合前におこなわれたバッティング練習では松井の柵越えが1本だったのに対し、イチローは5本。松井はイチローのパフォーマンスが「(現役時代と)全く変わってないです」と、その凄さを改めて実感したと明かす。
また4番に挙げた松井秀喜については、8月の試合での豪快なホームランに触れて「まだあの打球速度が出るのか」と驚嘆。人柄についても「気さくな先輩」と表現し、温かいリスペクトをにじませた。
その後は中村紀洋、タフィー・ローズら大阪近鉄バファローズ勢の選手を挙げると、そこから話題は金村義明のエピソードへ。金村は近鉄から西武に移籍した際、プロ16年目のベテラン選手であったにもかかわらず「若獅子寮」に入ってきた。上重や岡田も「全然若くない!」とツッコむのと同じく、松井も「なんで入ってくるんですか?」とツッコんだという。
「ダグアウト!!!」にもたびたび出演して“金村漫談”を披露し楽しませてくれている金村だが、現役当時からひょうきんな性格は健在だったようだ。
松井にとって金村は大切な先輩で、家に呼んでもらって食事をしていた仲。「ずっとかわいがっていただきました。だから僕は兄貴って呼んでるんですよ」と語ると、岡田がすかさず「言わんでよろしい。全然雰囲気違うから」とツッコミを入れてスタジオはこの日一番の盛り上がりを見せた。
■43歳で迎えた引退の決断…その葛藤に感じた重み
今回の放送で特に印象的だったのが、松井が語った「引退を決めた瞬間」のエピソードだ。2017年、楽天を退団した松井は、西武の渡辺久信シニアディレクターから選手兼任コーチとしてのオファーを受け古巣へ復帰。当時はまだ現役続行への強い意思があり、「兼任だったらあと2〜3年行けるんちゃうか」と考えていたという。
しかし、その後間もなく2軍監督への就任を打診されることに。43歳という若さでの監督就任に戸惑いながらも引き受けることを決断した松井は、当時の心境を丁寧に振り返った。1日でも長く現役を続けたいという気持ちと、「引き際も大事だ」という思い。そのはざまで揺れ動いたリアルな葛藤は、数々の栄光を手にしてきたレジェンドであっても同じなのだと感じさせる。
どんな質問にも誠実に答え、実績をひけらかすことなく謙虚に語る松井の姿からは、プロ野球選手としてだけでなく1人の人間としての魅力がにじみ出ていた。華やかなキャリアの裏側にある努力や覚悟を知ることができた今回の放送は、ファンにとって貴重な時間だったに違いない。

