夫のスマホで見てしまった「女の影」苦しみに耐えかねたあんりは、信頼している姉に相談することに。姉はあんりの身勝手さを厳しく指摘しながら、あんりがすべきことを示してくれて…。
姉に助けを求める
もう、どうしたらいいかわからなかった。修斗に何を言っても信じきれない自分が嫌だった。でも、このままじゃ何も解決しない。誰かに相談したい。でも、こんな恥ずかしい話、誰に話せばいいんだろう。
思い浮かんだのは、唯一、過去の私のことを知っている姉・のぞみだった。
「お姉ちゃん……ちょっと話を聞いてほしいんだけど」
電話口でそう言うと、姉はすぐに私の異変に気づいたようだった。
「どうしたの、あんり。何かあった?」
私はこれまでの経緯を、震える声で全て話した。修斗と話し合ったこと、彼のLINEを見てしまったこと、そして、信じきれない自分に苦しんでいること。私が話し終えると、姉は少しの間沈黙した。そして、一言。
「うーん、でもさ、それは正直、自業自得なんじゃない?」
厳しい言葉だった。でも、私はその言葉を待っていたのかもしれない。姉は続けた。
自業自得…。夫の痛みを知る
「あなたはさ、同じようなことをして、しかも2回とも真っ黒だったわけでしょう?それなのに修斗さんに許してもらってた。今回ちょっと疑わしくても、あなたが責め立てるのはちょっとおかしいと思うよ」
姉の言葉は、私の胸に深く突き刺さった。だけど、それはまさに私が自分自身に言いたかったことだった。
「まあ、気になるのはわかるよ。もう結婚してるし子どももいるんだから、他の女の影も気になるよね。でも、あなたと同じように、ほんのちょっと相手が気になっただけで、本気でそっちにいくつもりじゃないのかもしれないよ」
「でも、もし会って何かしたら…」
「あなたもさ『なにかした』わけでしょ?今回はあなたが信じる姿勢を見せるしかないと思うよ」
姉の言葉に、私は何も言えなかった。ただ、涙が止まらなかった。でも、その涙は悲しさからだけではなかった。

