咽頭がんの治療法
咽頭がんの治療は、がんの種類(できた場所)、進行度(ステージ)、患者さんの年齢や体調などによって大きく異なります。治療には「放射線治療」「化学療法(抗がん剤)」「手術」などがあり、これらを単独または組み合わせて行います。
ここでは、部位ごとに行われる主な治療と、その際の入院の必要性や治療期間について、わかりやすく解説します。
上咽頭がんの治療法
上咽頭がんは、手術で完全に取り除くことが難しい部位にあるため、主に放射線治療と抗がん剤を組み合わせた同時化学放射線療法が治療の中心となります。この治療は、耳鼻咽喉科や頭頸部外科を専門とする病院で行われ、抗がん剤の投与については腫瘍内科や化学療法科と連携しながら進められます。放射線治療は通常、週に5回の通院で約6〜7週間続けられますが、抗がん剤の種類によっては1週間から10日程度の入院が必要になることもあります。また、患者さんの状態や治療計画によっては、治療期間全体を通して1か月から2か月程度の入院管理が行われる場合もあります。
中咽頭がんの治療法
中咽頭がんの治療は、がんの進行度やHPV(ヒトパピローマウイルス)感染の有無によって異なります。早期のがん(ステージI〜II)であれば、放射線治療のみで完治する場合もありますが、進行したがん(ステージIII以降)では手術と放射線治療を組み合わせたり、放射線と抗がん剤を同時に行う化学放射線療法が行われることが多いです。特にHPV関連の中咽頭がんは放射線治療の効果が高く、治りやすい傾向があります。治療は主に耳鼻咽喉科や頭頸部外科を中心に進められ、がん拠点病院や大学病院で行われることが一般的です。
手術を行う場合は、口やのどの再建を伴うこともあり、10日から3週間ほどの入院が必要となります。一方、放射線治療のみの場合は通院で治療できることが多いですが、治療中に口内炎や嚥下障害などの副作用が出ると入院が必要になることもあります。抗がん剤を併用する場合は、1クールごとに5日から10日の入院を繰り返しながら治療を進めることがあります。
下咽頭がんの治療法
下咽頭がんは発見された時点で比較的進行していることが多いため、治療は手術と放射線治療や抗がん剤を組み合わせた方法が一般的に選ばれます。手術では、下咽頭の一部または全体を切除する大がかりな処置が必要になることが多く、声帯を温存できるかどうかや、のどの機能を再建する手術も検討されます。こうした治療は、頭頸部がんを専門とする耳鼻咽喉科や頭頸部外科が中心となり、設備の整った大規模な病院やがん専門病院で行われるのが通常です。
入院期間は手術の内容にもよりますが、一般的には2〜4週間程度が必要とされます。特に声を失う可能性もあるため、術後には言語療法や嚥下訓練などのリハビリが不可欠となる場合があります。また、手術ではなく放射線と抗がん剤を併用する治療を選ぶ場合でも、副作用の管理のために入院と通院を繰り返すことがあります。いずれの治療においても、専門医のもとでしっかりとしたサポートを受けることが重要です。
「咽頭がんの初期症状」についてよくある質問
ここまで咽頭がんの初期症状を紹介しました。ここでは「咽頭がんの初期症状」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
咽頭がんの好発年齢について教えてください。
小柏 靖直 医師
咽頭がんは一般的に中高年の男性に多いがんです。特に50〜70代での発症が多く見られます。これは、喫煙や飲酒などの生活習慣が長期にわたって蓄積されることが関係しています。
ただし、近年ではヒトパピローマウイルス(HPV)感染が関係する中咽頭がんが、比較的若い年齢層にも増えてきており、40代以下でも発症するケースがあります。
そのため、「若いから安心」と思い込まず、のどの違和感が長く続く場合は早めに耳鼻咽喉科を受診することが大切です。

