●ソフトドリンクをビアジョッキで飲んだら?
──ソフトドリンクをビアジョッキで飲み、その様子をSNSに投稿していた場合、実際に飲酒していなくても、学校側が問題視する可能性はありますか。
結論から言えば、実際に飲酒していなかったとしても、学校側が問題視し、指導の対象とする可能性は十分にあります。これは法的問題というよりも、学校の教育的・生活指導上の判断に基づくものです。
ソフトドリンクをビアジョッキで飲む行為自体は、当然ながら違法ではありません。SNSへの投稿も原則として法的に問題ありません。20歳未満飲酒禁止法は「実際に飲酒したかどうか」が基準です。
ただし、学校の指導では、「実際に違法行為かどうか」よりも、「外形的にどう見えるか」「誤解を招く行動かどうか」が重視されます。
居酒屋の雰囲気がわかる写真や動画をSNSに投稿した場合、第三者からは「20歳未満が飲酒しているように見える」可能性があります。その結果、学校に通報が入ったり、校風や学校の信用に影響を与えると判断されたりすることもあります。
多くの学校では、校則や生活指導の中で、「20歳未満飲酒を疑われる行為」「社会的に誤解を招く行動」「SNS上での不適切な発信」を指導対象としています。そのため、実際に飲酒していなくても、「紛らわしい行為をした」という理由で、注意や指導を受ける可能性は否定できません。
ただし、直ちに停学や退学といった重い処分が正当化されることは通常ありません。事実確認のうえでの口頭注意や投稿削除の指導、保護者への連絡にとどまることが一般的でしょう。
●最も確実な対策は「中高生だけで居酒屋に入らない」
──トラブルを回避するためにはどうしたらよいのでしょうか。
最も確実なのは、中高生だけで居酒屋に入らないという選択です。
居酒屋は本来、酒類の提供を主目的とする場所であり、時間帯や客層によっては大人向けの雰囲気になります。万一トラブルが起きた場合、「なぜその場所を選んだのか」が必ず問われるため、ファミリーレストランなど、年齢に適した店舗を選ぶほうが安全です。
どうしても居酒屋を利用する事情がある場合には、事前に保護者と相談し、同意を得ることが望ましいでしょう。保護者同伴であれば、法的・社会的なリスクは大きく下がり、学校からの問い合わせにも、事実関係を冷静に説明しやすくなります。
また、SNSへの投稿には特に注意が必要です。ビアジョッキや酒類のボトルが写り込んだ写真は、実際にソフトドリンクであっても飲酒を疑われやすく、誤解を招きがちです。20歳未満である以上、「誤解されない行動を選ぶ」こと自体が自己防衛になります。
さらに、制服姿での入店や写真撮影は、学校名が特定されやすく、学校の信用問題に直結します。本人に悪意がなくても、学校側が指導に乗り出さざるを得なくなるケースがある点には注意が必要でしょう。
【取材協力弁護士】
寺林 智栄(てらばやし・ともえ)弁護士
2007年弁護士登録。札幌弁護士会所属。法テラス愛知法律事務所、法テラス東京法律事務所、琥珀法律事務所(東京都渋谷区恵比寿)、ともえ法律事務所(東京都中央区日本橋箱崎町)、弁護士法人北千住パブリック法律事務所(東京都足立区千住)、NTS総合弁護士法人札幌事務所を経て、2025年12月からてらばやし法律事務所。離婚事件、相続事件などを得意としています。
事務所名:てらばやし法律事務所
事務所URL:https://www.attorneyterabayashi.com/

