夕方は家事と育児が重なり、気づけば余裕を失いがちな時間。4歳の娘から差し出された一枚の紙に書かれた、3文字の言葉に心をほどかれました。慌ただしさに追われていた筆者の体験談です。
夕方は戦場。余裕ゼロの私
保育園のお迎えから帰宅すると、休む間もなく夕飯づくりとお風呂の準備が始まります。4歳の娘と2歳の息子。とくに下の子は、食べられる物が限られているため、献立を考えるだけでも一苦労です。
「早くしなきゃ」「泣かせないようにしなきゃ」
その気持ちが重なり、子どもが大きな声をあげただけで余裕ゼロの焦りモードになるのでした。
その横で、上の子はというと、
「ねえママ、みて!」
「ねえ、こっち!」
と全力でアピール。決して悪気はありません。でも夕方は、家族全員の声が同時に飛び交い、まるで頭の中が渋滞しているようでした。
気づけば返事は適当、表情もこわばっていました。眉間にシワを寄せ「今は無理」というオーラを全身から放っていたと思います。
差し出された手紙
そのとき、上の子が一枚の紙を持ってきました。
「ママに、お手紙かいたの!」
料理の手を止め、紙を受け取ります。そこには、まだ形が安定しない、いわゆる“ミミズ文字”。読めそうで、読めない。しばらく首をかしげてしまいました。
「これ、なんて書いてあるの?」
そう聞くと、娘は少し誇らしげな顔で、はっきりと言いました。
「ママ、えがお!」
「ああ、見られていたのだな」 胸の奥を、ギュッとつかまれたような気がしました。
慌ただしさに飲み込まれて、怖い顔をしていた私。笑ってほしいと願って、この文字を書いてくれたのだと思うと、自然と口角があがっていました。

