「手指挫滅創」の初期症状とは? 切断を避けるための3つの応急処置と受診が必要な目安を医師が解説

「手指挫滅創」の初期症状とは? 切断を避けるための3つの応急処置と受診が必要な目安を医師が解説

手指挫滅創の治療

手指挫滅創の治療では、症状の程度に関わらず速やかに応急処置を行い、その後、医療機関での外科的処置が必要になります。

応急処置

手指挫滅創の応急処置で重要なことは異物の除去と止血です。受傷後、可能な限り早く流水で異物を除去することは感染予防に効果的とされています。この際、使用する水は水道水でも効果があります。

流水で異物を処置した後は止血を行います。皮膚が残っている場合には皮膚で、皮膚が欠損している場合には創傷被覆材で創部を覆い、圧迫して止血します。

外科的処理

医療機関での外科的処置は、流水で除去しきれなかった異物や壊死組織の除去、縫合処置を行います。砂利などの汚れはできるだけ早く除去することが望ましく、除去しないと青黒く傷跡が残る外傷性刺青となります。

縫合処置では皮膚や筋肉など残された組織を使用して、可能な限り元の形に近づけるように修復します。痛んでいて修復不可能と判断される皮膚は切除することもあります。とくに手指は細かな動作が要求されるため、縫合処置によって見た目と機能を両立させる必要があります。

損傷部位の欠損が大きく縫合が難しい場合には、他部位からの皮膚や組織の移植や人工血管などの医療機器で補います。損傷の程度が激しい場合には、複数回にわたって手術することもあります。

なお、残された組織の回復が難しく、壊死する可能性がある場合には手指の切断も考慮しなければなりません。とくに糖尿病などの基礎疾患がある際には回復が難しいケースが多いため注意が必要です。

リハビリテーション

外科的処置で指の形を元に戻しても、関節の動きが制限される後遺症がみられるケースが多々あります。そのような場合には、組織の修復段階からリハビリテーションで指を動かしていくことが大切です。手指挫滅創の程度が重く、一度の手術で指の再形成がされなかった場合でも、可能な範囲で指を動かすことが推奨されています。

抗生剤の投与

細菌培養によって感染が疑われる菌が特定できれば、その菌に対して有効な抗生剤を投与することもあります。

手指挫滅創になりやすい人・予防の方法

手指挫滅創は工場や建設現場など、機械を扱う職業に従事する人に多い外傷です。そのため、建設業や製造業に従事する人は注意が必要です。

手指挫滅創を予防するためには、転落や機械の巻き込み事故に注意することが大切になります。高所での作業には命綱を使用して打撲による受傷を予防し、巻き込まれる恐れのある機械を使用する場面では、手指が巻き込まれないように注意しましょう。


関連する病気

Closed degloving injury

開放骨折糖尿病

感染性皮膚炎


参考文献

日本創傷外科学会打撲創(挫滅創)

形成外科診療ガイドライン

日本創傷外科学会手のケガ

南本 俊之 et al 手指高度挫滅創の1経験 函医誌 第40巻 第1号 2016

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。