夫婦でみた、真犯人の姿
その夜、夫と2人でリビングのパソコン画面をじっと見つめていた。防犯カメラの映像を再生する。数日前から、夜中の映像を早送りで見ていく。カラスや猫が来る様子はない。静まり返った夜の住宅街。
午前2時ごろ。 画面の隅に、人影が映った。フードを深く被り、マスクをした人影が、私たちの家の前にゴミをまき散らしている。私は固唾を飲んで、その人影が顔を上げるのを待った。すると、その人物は周囲を警戒するように顔を上げた。 マスクとフードの間から見えたのは、いつも私に優しい言葉をかけてくれる、えりこさんの顔だった。
「……うわ…」
私は思わず、夫に抱きついた。夫は何も言わなかったけれど、怒りに震えているのは伝わった。私の心は、どんどん闇に吸い込まれていくのがわかった。
あとがき:証拠が示す真実
この物語のクライマックスです。これまでまりを苦しめてきたすべての出来事が、えりこの仕業だったことが、防犯カメラの映像によって明らかになります。読者もまりと一緒に、犯人の正体を知ったときの衝撃と絶望感を味わうことになるでしょう。この話は、人間の持つ悪意がいかに巧妙で、身近な場所に潜んでいるかを描いています。まりが直面する絶望は、彼女をこの家から逃げ出させようと決意させます。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

