肩石灰沈着性腱炎の治療
肩石灰沈着性腱炎では多くの場合、保存的治療から始め、効果がない場合は手術が検討されます。
薬物療法
急性期の強い痛みに対しては、消炎鎮痛薬の内服や、痛みのある部分への注射が効果的です。肩の痛みのある場所に直接注射をすることで、急性期の痛みを早く和らげる効果が期待できます。また、石灰がまだ柔らかい状態であれば、少し太めの針を刺して石灰を吸い出す治療も行われることがあります。
リハビリテーション
亜急性期や慢性期の症状には、物理療法(超音波、温熱療法など)やリハビリテーション(運動療法)が有効です。とくに肩の可動域を維持するための運動療法は重要で、肩を動かしたときの痛みを防ぎます。
体外衝撃波療法(ESWT)
体外衝撃波療法は機械から発生させた衝撃波によって石灰を砕く治療法です。肩の痛みがある部分に当てることで、石灰の塊を小さく砕き、石灰を取り除きやすくします。
外科的治療
保存的な治療で効果がない場合や、慢性的に症状が続く場合には手術が検討されます。主に、小さな傷から内視鏡を挿入して石灰を除去する関節鏡視下手術が実施されます。
肩石灰沈着性腱炎になりやすい人・予防の方法
肩石灰沈着性腱炎は40~50歳の女性に多く見られます。また、甲状腺機能の異常や糖尿病などの代謝性疾患がある人、遺伝的素因を持つ人も発症リスクが高いとされています。
原因がはっきりしていないため、確実な予防法は確立されていません。発症してしまった場合、適切な治療とリハビリテーションで対処していくことになります。
ただし、肩に過度な負担をかけない生活習慣を心がけることで症状の悪化を防げる可能性があります。長時間同じ姿勢での作業を避け、定期的に休憩を取り、肩の軽いストレッチを行うことをおすすめします。
また、症状があらわれ始めたら早めに専門医を受診し、適切な治療を受けることが、症状の悪化や慢性化を防ぐ上で非常に重要です。特に夜間の痛みや肩の動きの制限を感じたら、放置せずに医療機関を受診しましょう。
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参考文献
公益社団法人 日本整形外科学会「石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎)」
National Library of Medicine「Calcific tendinitis of the shoulder」

