毎日ドリル 脳トレクイズに挑戦
認知症の初期症状と介護が必要になるサイン|物忘れとの違いや早期発見のポイント、対処法も解説

認知症の初期症状と介護が必要になるサイン|物忘れとの違いや早期発見のポイント、対処法も解説

認知症は、いったん発達した認知機能が持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障が出ている状態です。年齢を重ねると誰でも物忘れは起こりますが、認知症では忘れ方や困りごとの出方が異なる場合があります。ご本人が困っているのに言葉にできない場合もあり、ご家族が違和感を抱いても、どこに相談すればよいかわからずに時間がたってしまうこともあります。この記事では、介護につながりやすい初期の変化を具体的に整理し、単なる物忘れとの違い、進行によって起こりやすい症状、身体の衰えとの関係、そしてご家族が今日からできる対処法をまとめます。

高宮 新之介

監修医師:
高宮 新之介(医師)

昭和大学卒業。大学病院で初期研修を終えた後、外科専攻医として勤務。静岡赤十字病院で消化器・一般外科手術を経験し、外科専門医を取得。昭和大学大学院生理学講座生体機能調節学部門を専攻し、脳MRIとQOL研究に従事し学位を取得。昭和大学横浜市北部病院の呼吸器センターで勤務しつつ、週1回地域のクリニックで訪問診療や一般内科診療を行っている。診療科目は一般外科、呼吸器外科、胸部外科、腫瘍外科、緩和ケア科、総合内科、呼吸器内科。日本外科学会専門医。医学博士。がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了。JATEC(Japan Advanced Trauma Evaluation and Care)修了。ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)。BLS(Basic Life Support)。

介護につながる認知症の初期症状

介護が必要になる前に表れやすい変化を、家庭で気付くポイントとして整理します。

物忘れが増える

年齢に伴う物忘れでは、体験の一部が抜ける形になりやすく、きっかけがあると思い出せる場合があります。一方で認知症では、新しい出来事を覚えにくくなり、直前の出来事そのものが抜け落ちるようにみえる場合があります。

例えば以下のように、生活のなかで困りごととしてあらわれることがあります。

食事をした事実を忘れてしまう

同じ買い物を繰り返して家に同じ品が増える

約束をしていないと思い込んで予定が崩れるなど

ポイントは回数よりも、忘れたことで生活が回らなくなっているかどうかです。受診や相談の場では、いつから、どのような場面で、何に困ったかを短く伝えられると評価が進みやすくなります。ご本人が責められたと感じると隠そうとする場合もあるため、忘れを指摘するより、困りごとを一緒に減らす姿勢を示すとよいでしょう。

同じ話を繰り返す

同じ内容を短い間隔で繰り返す場合、新しい情報が定着しにくくなっている可能性があります。ご本人は繰り返している自覚がないことが少なくありません。

繰り返しが増える背景には、不安や緊張が隠れている場合もあります。例えば予定がわからない不安や家のなかでの役割が失われた不安などがあると、同じ確認が増えることがあります。繰り返しそのものだけで判断せず、生活全体の変化と合わせて観察することが大切です。

判断力や集中力が低下する

判断力や集中力の低下は、家事や買い物のように手順が複数ある場面で気付きやすい傾向があります。例えば下記のような状況です。

以前は問題なく行えていた料理で順序が入れ替わる

支払いの流れで迷う

同じ話を聞いても理解に時間がかかる

こういった変化は、日常生活での負担が増えているサインです。仕事を引退した後や子どもが独立したといった生活の刺激が減る時期に目立つ場合もあります。ご本人は失敗を恥ずかしいと感じ、無理に取り繕ったり、急に頑固になったように見えたりする場合がありますが、背景に認知機能の変化があることも考えられます。

時間や場所の感覚が曖昧になる

曜日や日付がわからなくなる、約束の時間を間違える、慣れた場所で道順に迷うなどの形で表れる場合があります。

最初は疲れた日のみ起こるなど波があることもありますが、繰り返す場合は注意が必要です。時間や場所の感覚が乱れると、遅刻や約束の失敗が増えるだけではなく、帰宅できない、見知らぬ場所で立ち尽くすなど安全面の心配が出ます。ご本人は不安が強くなり、焦りから判断が乱れることもあります。

気分の浮き沈みが激しくなる

認知症では、物忘れなどの中核症状に加えて、気分の落ち込み、不安、いら立ち、興奮、睡眠の乱れなどがみられる場合があります。こうした変化は、環境の変化や体調不良が引き金になることもあり、認知機能の変化と絡み合って表れます。例えば引っ越しや家族構成の変化、生活リズムの乱れ、痛みや便秘、脱水などが重なると、気分の不安定さが目立つ場合があります。

認知症の初期症状と単なる物忘れの違い

認知症の初期症状と物忘れの大きな違いは、忘れ方の特徴と、日常生活への影響の出方です。年齢による物忘れでは、体験の一部が思い出しにくい形になりやすく、思い出すきっかけがあると記憶が戻る場合があります。

一方、認知症の初期症状としての物忘れは、体験そのものが抜け落ちたようにみえ、きっかけがあっても思い出しにくい場合があります。例えば、朝食の内容が思い出せないのは年齢の変化でも起こりえますが、朝食を食べた事実そのものが抜け落ちる場面が繰り返されるようになります。加えて、忘れていることへの自覚が乏しくなることがあり、周囲からみると同じ質問や同じ確認が短い間隔で続く形で気付くこともあります。

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。