毎日ドリル 脳トレクイズに挑戦
顔の脂肪吸引は“半永久的”って本当? 脂肪再分布のリスクと長持ちさせるための方法を医師に聞く

顔の脂肪吸引は“半永久的”って本当? 脂肪再分布のリスクと長持ちさせるための方法を医師に聞く

顔の脂肪吸引は、ダイエットでは落ちない部分脂肪を根本から減らせる施術です。しかし、「一度取った脂肪は本当に戻らない?」「ほかの部位に脂肪が移るというのは本当?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。今回は、脂肪吸引の「半永久的」と言われる所以から、理想の輪郭を長期間維持するためのクリニックケア・セルフケアまで、THE FIRST CLINICの惟村先生に解説していただきました。

惟村 公郁

監修医師:
惟村 公郁(THE FIRST CLINIC)

北里大学医学部卒業後、北里大学病院にて初期研修を修了。その後、北里大学メディカルセンター脳神経外科に所属し、救急医療やCOVID-19病棟の診療に従事。2022年より大手美容外科クリニックでの診療経験を積み、2023年に「THE FIRST CLINIC」を開院、院長となる。日本脳神経外科学会の正会員。また、ペロブスカイト太陽光電池を宮坂力特任教授と共同研究している。

知っておきたい「顔の脂肪吸引」の基本とそのメカニズム

知っておきたい「顔の脂肪吸引」の基本とそのメカニズム

編集部

はじめに、顔の脂肪吸引とはどのような施術か教えてください。

惟村先生

顔の脂肪吸引は、特殊な細いカニューレ(吸引管)を用いて、頬やあご下(サブメンタル)、頤(おとがい)などに蓄積した皮下脂肪を物理的に除去する外科的処置です。大人になると脂肪細胞数はほぼ一定と言われており、この「細胞そのものを減らす」点が、ダイエット(脂肪細胞の肥大化・縮小化)との根本的な違いです。

編集部

どのような悩みを持つ人に向いている施術なのでしょうか?

惟村先生

骨格は整っているのに皮下脂肪により丸みやもたつきが生じている方、いわゆる「脂肪顔」の方に最も適しています。具体的には、ダイエットであごのラインが変わらない、頬のふくらみが気になる方です。ただし、重要なのは「脂肪吸引は痩身術ではない」ということ。全身の体重減少は、適切な食事と運動が何よりも基本です。施術ありきで痩せようとするのではなく、ご自身の健康を基盤としたボディメイクの一環として、最後に残った脂肪へのアプローチとお考えください。

編集部

誰でも受けられる施術なのでしょうか? 受けられない人の特徴などがあれば教えてください。

惟村先生

適応は慎重に見極める必要があります。まず、皮膚のたるみが強い方は、脂肪を除去することでかえって皮膚の余りが目立ち、老けた印象になるリスクがあります。この場合、脂肪吸引単独ではなく、皮膚の引き上げを目的としたフェイスリフトなどの治療が根本解決となる可能性もあります。また、出血傾向のある方、コントロール不良の持病をお持ちの方、妊娠中・授乳中の方は適応外です。最も避けるべきは、身体醜形障害(極度に自身の外見を醜いと感じる状態)の方への安易な施術です。

「半永久的」の真実と知るべき「脂肪再分布」のリスク

「半永久的」の真実と知るべき「脂肪再分布」のリスク

編集部

顔の脂肪吸引の効果は何年くらい持続するのでしょうか?

惟村先生

取り除かれた脂肪細胞が再びその部位に戻ることは、生理学的にほとんどありません。この意味で「半永久的」と言えます。しかし、これには重大な前提があります。一つは、「残った脂肪細胞が肥大化する可能性」は常にあります。体重が10kg増えれば、顔も当然ふっくらします。もう一つは、「加齢による皮膚・軟部組織の下垂は進行する」ため、輪郭の印象は変わります。さらに知っておいてほしいのが「脂肪再分布」という考え方です。

編集部

「脂肪再分布」について教えてください。

惟村先生

脂肪吸引は、例えるなら押し入れが3つあったうちの1つを片付ける(脂肪細胞を除去する)ようなもの。その後も摂取カロリーが消費カロリーを上回れば、余剰エネルギーは体内に蓄積され続けます。取り除かれた脂肪細胞が元の場所に戻ることはありませんが、その分、残っているほかの押し入れ(ほか部位の皮下脂肪細胞)がより多く膨らむ可能性があります。実際、脂肪吸引後に運動習慣や体重管理が不十分な場合、吸引部位以外の皮下脂肪が増えたり、条件によっては内臓脂肪が相対的に増加したりする可能性が、いくつかの研究で示唆されています。この点が、脂肪吸引がときに際限なく続いてしまう「悪魔の手術」と表現される理由の一つと考えられています。重要なのは、脂肪吸引を単独の解決策と捉えるのではなく、体重管理や生活習慣の改善とセットでおこなう治療であると正しく理解することです。

編集部

理想の状態になるまで、どのくらいかかりますか?

惟村先生

腫れのピークは術後2,3日、目立つ腫れは1週間程度で引き、社会活動に支障のない状態になります。しかし、深部の組織修復に伴う硬さは1~3カ月かけて徐々に柔らかくなります。つまり、最終的で自然な輪郭が定着するには3~6カ月を見ておくべきです。当院では、「一生に一度の施術」と考え、その時々の流行ではなく、ご自身の骨格とバランスを見極め、必要な脂肪を必要な量だけ持続可能なデザインで除去することを心がけています。急激な変化よりも、時間をかけて綺麗に仕上がる過程が大切です。

編集部

年齢や肌質によって、顔の脂肪吸引の持続期間は変わりますか?

惟村先生

「脂肪が減った状態」そのものの持続性は変わりませんが、「見た目の美しい輪郭として維持できる期間」には大きく影響します。若年層は皮膚弾力性が高く、脂肪除去後の皮膚の収縮が良好です。一方、35~40歳以降ではコラーゲンやエラスチンが減少しており、脂肪除去後の皮膚のリコイル(跳ね返り)が弱く、たるみの原因になり得ます。このため、施術前の肌質評価は極めて重要です。

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。