溶連菌感染症は、発熱やのどの痛みをきっかけに気付かれることが多い感染症で、子どもを中心に身近な場面でみられます。一方で、症状の現れ方には幅があり、高い熱が出る場合もあれば、のどの痛みや全身の不調が中心となる場合もあります。また、いちご舌や赤い発疹といった特徴的な変化がみられることもあり、風邪との違いがわかりにくいと感じる方も少なくありません。子どもと大人では症状の出方やつらさの感じ方が異なることがあり、年齢による違いを知っておくことも大切です。さらに、経過のなかには早めの受診を考えたほうがよいサインが現れる場合もあります。
この記事では、溶連菌感染症でみられる主な症状を整理したうえで、子どもと大人の症状の違い、見逃したくない体調の変化を解説します。

監修医師:
林 良典(医師)
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科
溶連菌感染症の主な症状

溶連菌感染症ではどのような症状が出ますか?
溶連菌感染症は、急に始まる発熱と強いのどの痛みが中心です。のどや扁桃が赤く腫れ、白い付着物がみられる場合もあります。飲み込む動作で痛みが強く出るため、食事や水分摂取がつらく感じられることがあります。首の前側にあるリンパ節が腫れて押すと痛みを感じる場合もあり、全身のだるさや寒気を伴うこともあります。咳や鼻水が目立ちにくい点が、かぜとの違いを考える際の手がかりです。
溶連菌感染症は必ず高熱が出ますか?
必ずしも高い熱が出るとは限りません。38度前後の発熱がみられる場合がある一方で、微熱にとどまる場合や、のどの痛みが主な症状となる場合もあります。解熱鎮痛薬を使用していると、一時的に熱が下がっているようにみえることもあります。そのため、熱の高さだけで判断せず、のどの痛みの強さや全身の状態、症状の経過をあわせて考えることが大切です。
いちご舌や全身の赤い発疹は溶連菌感染症の可能性がありますか?
溶連菌感染症の経過のなかで、舌が赤くぶつぶつした状態になる変化や、細かい赤い発疹が全身に広がることがあります。こうした症状がみられる場合は、猩紅熱と呼ばれる状態です。発疹は体幹から始まり、触るとざらついた感触になることがあります。のどの症状や発熱と同時に現れる場合が多く、皮膚の変化が目立つことで気付かれることもあります。
溶連菌感染症で頭痛が起きることはありますか?
頭痛が起きることがあります。発熱や炎症に伴って頭が重く感じられたり、痛みを自覚したりする場合があります。子どもは頭痛に加えて腹痛や吐き気を訴えることもあり、のどの症状が乏しい時期には見逃されやすいことがあります。こうした全身症状が重なる場合には、のどの状態も含めて確認することが重要です。
溶連菌感染症の子どもと大人の症状の違い

子どもではどのような症状が起きやすいですか?
子どもは、急な発熱と強いのどの痛みが目立つことが多く、食事や水分がとりにくくなる場合があります。のどや扁桃の赤みがはっきりして、白い付着物がみられることもあります。また、頭痛や腹痛、吐き気などの全身症状を伴うことがあり、のどの痛みよりも身体のつらさを強く訴える子どももいます。前述のとおり、溶連菌感染症は、小児を中心に猩紅熱と呼ばれる状態がみられることがあります。皮膚に細かい赤い発疹が出たり、舌が赤く変化したりする場合もあり、皮膚症状をきっかけに受診につながることもあります。
大人が溶連菌に感染するとどうなりますか?
大人は、のどの痛みや違和感が中心となり、発熱が目立ちにくい場合があります。全身のだるさや軽い頭痛を感じても、仕事や日常生活を続けられる程度のこともあり、受診が遅れることがあります。咳や鼻水が少ない点は子どもと共通していますが、症状が軽く経過することで風邪と区別しにくくなる場合があります。一方で、のどの痛みが長引いたり、首のリンパ節の腫れが続いたりすることもあり、経過のなかで受診につながるケースもあります。年齢によって症状の現れ方やつらさの感じ方が異なる点を理解しておくことが大切です。

