1.メインは「体を清潔に保つ」ため
猫のグルーミングは、人間でたとえるなら入浴のようなものです。子どもが見ても「体をお掃除しているんだな」とわかるため、グルーミングの意味としては最も周知されている行動でしょう。
ただし、猫のグルーミングは単に被毛についた汚れやホコリを取り除くだけではありません。実は猫の唾液には軽い殺菌作用があり、皮膚表面を清潔に保つ役割も担っています。自分の体を舐めることで、細菌の繁殖を抑え、皮膚トラブルを防いでいるのです。
さらに、グルーミングには自分の体の「ニオイ」を消すという役割もあります。これは野生時代の名残りで、外敵や獲物に察知されにくくするための本能的な行動でもあったのです。
現代の室内飼いの猫(イエネコ)にとって、命がけの狩りは不要になりましたが、この習性は今も変わらず受け継がれています。猫が念入りにグルーミングをする姿は、「きれいにしている」だけでなく、猫本来の生き方が表れている瞬間ともいえるでしょう。
2.体温調節
猫のグルーミングには、体温を調節するという重要な役割もあります。猫は汗をかいて体温を下げることがほとんどできないので、その代わりに、唾液を使ったクールダウンを行っているのです。
体を舐めることで被毛に唾液が広がり、それが蒸発する際に体の熱を奪い、体温の上昇を抑えるという仕組み。これは人間が汗をかいて涼しくなる仕組みに近いものといえるでしょう。
また被毛を整えると毛並みが揃い、被毛の間に空気が入るため、夏は余分な熱を逃しやすく、冬は体温を保護しやすくなります。
これらのことから、気温や湿度が高くなる夏場は、自然とグルーミングの回数が増える傾向があります。これは「暑くて不快だから」ではなく、猫自身が快適な体温を保とうとしている行動です。何度も体を舐めている姿を見かけたときは、室温や風通しを確認する目安にするとよいでしょう。

