夫に外出禁止令を出されてても「私が悪い」モラハラが“日常”になる理由【心理カウンセラーに聞く】

夫に外出禁止令を出されてても「私が悪い」モラハラが“日常”になる理由【心理カウンセラーに聞く】

なぜモラハラを受け入れてしまうの?気づくためには?心理カウンセラー・白目さんに聞いてみた!


夫のモラハラ行為を受け入れてしまう妻の心理とは?また、モラハラに気づくために本人や周囲ができることとは?
漫画を読んで気になった素朴な疑問について、心理カウンセラー・白目みさえさんにお話を伺いました。白目さんは、精神科に勤務する傍ら、母親の日常をテーマにした『子育てしたら白目になりました』などを描く、人気コミックエッセイストとしても知られています。


──支配的な言葉や制限を受けても「仕方ない」と受け入れてしまう関係は、モラハラのどの段階にあたるのでしょうか?“加害”が進行しても被害者が気づけなくなるのはなぜですか?

白目さん:支配的な言葉や制限を「仕方ない」と受け入れてしまう関係は、モラハラの中でも“固定化の段階”にあたります。人は良くも悪くも順応する生き物です。恐怖の中で「おかしい」と立ち向かって変えていこうという姿勢は長続きしません。仕事や育児、家事などタスクが多くある中では、「受け入れていかに波風を立てないか」にシフトしていくのも自然な流れです。

加害者は支配を“愛”だと信じ、被害者は服従することで加害者の子ども時代の“愛の記憶”をなぞります。妻は、夫が生き延びるために身につけた“適応”を再演している状態であり、支配と服従が日常に溶け込んでいく時期と言えるでしょう。


──主人公は「確かに私も悪かった」と自分を責め、「モラハラってほどでも…」と受け入れてしまっています。モラハラの被害を受けているのに「これは大したことない」と思い込んでしまうのは、どんな心理状態のサインでしょうか?周囲や本人が“気づき”を取り戻すには、どんなサポートが有効ですか?

モラハラ…?だけど悪いのは私だし…|これはもう正常な判断ができない状態では⁉︎
モラハラ…?だけど悪いのは私だし…|これはもう正常な判断ができない状態では⁉︎ / (C)前川さなえ/KADOKAWA

白目さん:「確かに私も悪かった」「モラハラってほどでも…」という思考は心理的麻痺のサインでもありますが、ここで「間違い」と認めることは「自分はずっと間違っていた」と認めることでもあります。妻もまた、これ以上「自分が責められること」が怖くなっている段階だと言えます。

気づきを取り戻すには、共感的な第三者の関わりが重要です。たとえば周囲が「私が同じ相談をしても、あなたは“私が悪い”って言う?」と問いかけてみましょう。共感力が高い人ほど、他人にはそんなこと言えないと思います。この矛盾に気づくことが大切です。
夫は自分の感情を感じていいと教わらなかったのかもしれませんが、あなたは自分の感情を感じていいことを知っているはず。それに戻るだけでいいのです。


「共感的な第三者の関わり」が重要

妻に非があるわけでもないのに、外出禁止を言い渡して行動を制限し、罰を与えるような行為はモラハラといえます。しかし、モラハラ行為をされた側が「悪いのは私」と受け入れてしまうケースもあるのです。この状況に気づくためには、白目さんが指摘するように「共感的な第三者の関わり」が重要です。自分の味方をしてくれる家族や友人に近況を話すことで、夫婦の異変に気づかせてくれるかもしれません。

【白目みさえさんプロフィール】
臨床心理士・公認心理師。心理カウンセラーとして精神科に勤務。漫画家としても活動。近著「子育てしたら白目になりました」が好評。

文=しゅま
保育士とのダブルワークをしながら2人育児に奮闘するママライター。「無理せずラクに」をモットーに、暮らしを豊かにするアイデアを取り入れながら生活を楽しんでいます。家事・育児・仕事に追われるママの視点で、便利なライフハックを発信します!

配信元: レタスクラブ

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