●「研究の公正さにも疑念を生じかねさせず、責任は重大だ」
國廣弁護士によると、元教授はヒアリングに対して、接待を受けた事実は認めたものの、「お友だちとしての飲食」「仲間内の付き合いだった」などと説明し、便宜を図る考えがあったことまでは認めていないという。なお、元特任教授はヒアリングを拒否した。

調査チームは、刑法上の収賄罪に該当するかは別として、元教授らの行為は大学の倫理規定に違反していることは明らかとした。このような行為は、研究の公正さにも疑念を生じかねさせず、責任は重大と結論づけている。
処分について、元教授は懲戒解雇とし、元特任教授は雇用関係がすでに終了していることを理由に懲戒処分をしていない。藤井総長と担当理事らは、報酬を自主返納することも明らかにしている。
●ガバナンス改革進む中で新たな問題も
一連の不祥事を受け、東京大学はガバナンス強化への取り組みを公表した。不祥事の背景として、大学の閉鎖的な組織風土や教職員の倫理意識の希薄さがあったと分析。不祥事の未然防止や、社会連携講座の運営を厳しくチェックする体制を構築するとしている。
また、4月からは最高リスク責任者(CRO)を設置し、抜本的な改革を迅速に実行する方針だ。
大学内で実施したアンケートの結果、接待をめぐって新たに22件、倫理規定に抵触する事案が明らかとなったという。そのうち3件は「高額」とされ、現在、懲戒処分の手続きを進めているとしている。
藤井総長は「社会からの信頼を回復し、本学が変わったという姿を認めてもらえるように全力を尽くす」と述べた。会見は約3時間に及び、冒頭と終了時には深く頭を下げた。

