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【ホラー】「生き霊になられたら困る」女子高生を追い詰めるストーカーの狂気が、最悪の儀式を呼び寄せる【作者に聞く】

【ホラー】「生き霊になられたら困る」女子高生を追い詰めるストーカーの狂気が、最悪の儀式を呼び寄せる【作者に聞く】

東北に今も残る「ムカサリ絵馬」の風習をモデルにしたホラー作品
東北に今も残る「ムカサリ絵馬」の風習をモデルにしたホラー作品 / 三ノ輪ブン子(@minowabunko)

「ムカサリ絵馬」という風習をご存じだろうか。未婚のまま亡くなった人があの世で寂しくないよう、死後に結婚を遂げさせる「死後婚」の儀式である。実際に山形県を中心とした東北地方で江戸時代から受け継がれており、婚礼服姿の男女を描いた絵馬を奉納する。しかし、この伝統的な儀式には、決して破ってはいけない戦慄の「掟」が存在する。

■未婚の死者を弔う「死後婚」の儀式
「ムサカリ絵馬」絡みのホラーとは一体?
「ムサカリ絵馬」絡みのホラーとは一体? / 三ノ輪ブン子(@minowabunko)
鬼の居る間にわたしたちは_第2話_p03
鬼の居る間にわたしたちは_第2話_p03 / 三ノ輪ブン子(@minowabunko)
鬼の居る間にわたしたちは_第2話_p04
鬼の居る間にわたしたちは_第2話_p04 / 三ノ輪ブン子(@minowabunko)


三ノ輪ブン子(@minowabunko)さんが描くホラー漫画『鬼の居る間にわたしたちは』第2話では、この風習を題材とした背筋も凍る物語が展開される。主人公の螢は、怪異が見える体質の女子高生。ある日、彼女が仲良くなった転校生・あざみの周囲で、異常な執着を見せる元同級生の男子生徒によるストーカー事件が発生する。

彼はあざみを追って学校に押しかけ、交際を迫るなど行動をエスカレートさせていく。螢が「生き霊になられたら困る」と危惧していた矢先、事態は「ムカサリ絵馬」にまつわる最悪の展開へと突き進んでいくのである。

■作者が語る「生と死の曖昧な境界線」

ホラー漫画や都市伝説系の作品を得意とする著者の三ノ輪ブン子氏は、本作で「ムカサリ絵馬」を取り上げたきっかけについて、元々フランスの漫画アプリに掲載される作品であったことから「日本らしいホラー」を目指した結果だと語る。死者と生者を対等に扱う日本の感性を重視した一方で、フランスでも死者との結婚が法的に認められているという事実に驚き、万国共通の「死後婚」への関心が着想の鍵となった。

特に読者を震え上がらせたのが、新郎姿の男子高校生の目がうっすらと開く終盤のシーンだ。三ノ輪氏は「なぜ目が開いたのか」という問いに対し明確な答えは設けていないが、死者と生者の境目があいまいに混じり合う日本のホラー特有の魅力をそこに込めている。死後もなお、その人物の思いや存在が消えるわけではないという「何が生きていて、何が死んでいるのかわからない世界」の表現にこだわったという。

「ムカサリ絵馬」において、破ってはいけない掟とは「亡くなった人の相手に、生きている人の姿を描いてはいけない」こと。実在する人を描けば、その者はあの世に連れていかれてしまうと言い伝えられている。作中のあざみは無事だったのか。実際に残る風習の重みを感じながら読み進めれば、夏の暑さも吹き飛ぶほどの恐怖を味わえるに違いない。


取材協力:三ノ輪ブン子(@minowabunko)

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