●民事裁判では損害賠償の支払い命令が確定
問題の発端は、2019年11月に電子書籍「草津温泉 漆黒の闇5」(すでに販売打ち切り)が出版されたことだった。
当時、草津町の議員だった新井氏は、黒岩町長と性関係を持ったという証言をライターに伝え、ライターは十分な裏付けを取らないまま電子書籍を出版した。
黒岩町長は当初から一貫して疑惑を否定し、2019年12月に新井氏とライターを名誉毀損の疑いで刑事告訴。新井氏から強制わいせつの疑いで刑事告訴されたことから、2021年12月に新井氏を虚偽告訴の疑いでも刑事告訴し、前橋地検が2022年10月に新井氏を起訴していた。
ライターについては、前橋地裁が2024年1月、懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡し、その後確定した。
また、刑事告訴とは別に、黒岩町長は2019年12月、虚偽の告発により名誉を毀損されたとして新井氏とライター、新井氏を支援していた町議の男性の計3人に損害賠償を求めて提訴。
この民事裁判では、前橋地裁が2024年4月、黒岩町長と新井氏の間に性交渉はなかったと認定し、新井氏に275万円を(うち110万円をライターと連帯して)支払うよう命じた。
ライターは110万円とその遅延損害金を合わせた計約133万円を黒岩町長側に支払ったが、新井氏は判決を不服として控訴。しかし、東京高裁も2024年11月、黒岩町長と性交渉を持ったとする新井氏の告白がうそだったと認定し、275万円から110万円を差し引いた165万円の支払いを新井氏に命じ、確定した。

