「もし落下したら…」高速道路で後部ドアから身を乗り出し撮影、事故が起きたら責任は?

「もし落下したら…」高速道路で後部ドアから身を乗り出し撮影、事故が起きたら責任は?

●運転者の責任はどうなる?

──今回のようなケースでは、運転者も何らかの法的責任が問われる可能性がありますか。

先ほど述べたように、道路交通法71条4号(転落等防止措置義務違反)に該当した場合は、5万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

なお、道交法71条の3第2項(座席ベルト装着義務違反)については、罰金刑の規定はありません。

ただし、行政上のペナルティとして、転落等防止措置義務違反の場合、違反点数1点、反則金が6000円(普通車)が科されます。座席ベルト着用義務違反についても、違反点数は1点となります(反則金はありません)。

さらに、ドアを開けたまま漫然と走行し、その結果、同乗者が車外に転落して死傷した場合には、運転者が「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」に基づく過失運転致死傷罪に問われる可能性もあります。

●もしも後続車が転落した撮影者に衝突したら?

──投稿者が懸念するように、危険な撮影行為をしている人物が車外に落下し、後続車が避けきれず衝突してしまった場合、後続車の運転者にも法的責任が問われる可能性はあるのでしょうか。

道路に落下した撮影者に後続車が衝突した場合、後続車の運転者も、過失運転致死傷罪に問われる可能性はあります。

ただし、過失の有無は一律に判断されるものではなく、「結果を予見できたか」「結果を回避できたか」といった観点から吟味されることになります。

具体的には、運転手がどれくらいのスピードを出していたか、十分な車間距離を取っていたか、撮影者がどれだけ危険な行動を取っていたかなど、さまざまな事情を総合的に考慮したうえで、過失を問えるかどうかが判断されることになります。

【取材協力弁護士】
本間 久雄(ほんま・ひさお)弁護士
平成20年弁護士登録。東京大学法学部卒業・慶應義塾大学法科大学院卒業。宗教法人及び僧侶・寺族関係者に関する事件を多数取り扱う。著書に「弁護士実務に効く 判例にみる宗教法人の法律問題」(第一法規)などがある。
事務所名:横浜関内法律事務所
事務所URL:https://jiinhoumu.com/

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