
長年の不妊治療により、700万円という莫大な貯金をすべて使い果たそうとしている夫婦がいた。「ここまでやったら、もう悔いはない」。そう語る妻のしょうこさんは、夫に「この3回で不妊治療を終わりにしよう」と告げる。精神的にも経済的にも限界が近づくなか、二人は最後の賭けに出たのである。
※この作品は事実に基づいたフィクションであり、実在する人物・団体とは関係ありません。
※本作にはセンシティブな表現があります。閲覧には十分ご注意ください。
■「あと3回」という期限



福岡で治療を始めてからの二人は、あえて生活習慣を厳格に律することをやめた。妻とはしご酒をして遊んだりと、気を抜いて過ごすなかで治療は進んでいく。1回目と2回目の着床は失敗に終わったが、二人のなかで「終わり」を決めていたため、気持ちはむしろ楽だったという。
しかし、運命の3回目。出産まで辿り着くことが極めて難しいと言われる「ROSI(円形精子細胞注入)」を用いた治療で、なんと着床に成功。その後、子どもは順調に成長し、無事に出産というゴールへ辿り着くことができた。全く先が見えない暗闇のなかで、期限を決めたことが功を奏したのかもしれない。
■4〜5年の歳月を経て掴んだ命
作者のぺ子(@pntmaster)さんによれば、この夫婦が授かるまでには4〜5年ほどの歳月がかかったと推測される。男性不妊の判明までに2年を要し、病院の変更や休止期間を乗り越えての結末だった。
「このご夫婦の場合は、努力と前向きさが奇跡を引き寄せたと言えるかもしれません」と語るぺ子さんだが、同時に不妊治療には「運」の要素が全くないとは言い切れない現実も指摘する。大切なのは、子どもの有無に関わらず、夫婦でしっかり話し合い「二人で幸せに歩める選択」をすることだ。ほかにはないこの奇跡の実話は、今まさに悩んでいる多くの夫婦にとって、進むべき道を照らすための一つの光となるだろう。
取材協力:ぺ子(@pntmaster)
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

