宮崎県弁護士会は1月27日、国選弁護制度の基礎報酬及び各種弁護費用の抜本的改善を求める会長声明を発表した。相次ぐ再審無罪判決を受けて刑事弁護活動の重要性が改めて認識される中、現行の費用体系では「国選弁護人の活動が相当制約される」として、国費による確固とした予算措置を求めている。
声明によると、被疑者の9割近くが捜査段階で国選弁護人を選任するなど制度の利用は堅調だが、国選弁護業務のための予算は年間160億円前後と「極めて僅少な額に抑えられたまま」だという。国家予算が2025年に115兆円を超える中、国選弁護制度を支える経済的基盤の拡充は「立ち遅れている」と指摘した。
●「昨今の物価上昇すら反映されていない」
声明では、国選弁護事件の平均的な報酬について「適正な弁護活動を行うために必要な対価としては非常に低額な状態が続き、昨今の物価上昇すら反映されていない」と批判。宮崎県内では日向警察署での女性被疑者集中留置による遠距離接見の増加、外国人増加に伴う通訳人確保の困難、被害者氏名等秘匿制度による業務の複雑化などで弁護士の負担が増しているとした。
さらに、近時の佐賀県警科学捜査研究所職員によるDNA鑑定不正を受けて「捜査機関側の鑑定に対する不信が高まっている」と指摘。現行の費用体系では「国選弁護人側の鑑定費用は賄われておらず、そのことにより国選弁護人の活動が相当制約される結果になっている」として、早急な改善を訴えた。
同会は政府、国会、法務省、財務省等に対し、被疑者・被告人の権利擁護と公正な刑事司法制度実現のため、国選弁護制度の基礎報酬及び各種弁護費用の抜本的改善を求めている。

