大和に「実家に帰る」と告げ、自宅にボイスレコーダーを仕掛けた由奈。そこで聞こえてきたのは、由奈を「障害物」扱いし、"家の乗っ取り"を企む2人の会話でした。翌日、義両親と千絵を連れ、不倫現場へとふみこんだ由奈は…。
不倫相手と夫の会話に耳をうたがう…
週末、私は予定通り「実家に一泊してくるね」と大和に告げ、ミナを連れて家を出ました。
大和は「ゆっくりしてきなよ」と、どこかうわついた様子で送り出してくれました。
その夜、私は実家でスマホをにぎりしめ、リビングに仕掛けたボイスレコーダーが拾っている音声を、リアルタイムで確認していました。
「ねぇ、大和さん。奥さん、いつまでここに住むつもりなのかな?」
高橋美咲の声です。甘ったるい、耳ざわりな声。
「ミナのこともあるしなあ…。すぐにはムリだけど、離婚の準備は進めてるから」
「楽しみ。早くこの家、私のものにしたいな。このソファーも買い替えようね。奥さんの匂いがしてイヤだもん」
大和は笑いながら、彼女に調子を合わせていました。
私の存在も、ミナの存在も、彼らにとってはただの「障害物」に過ぎなかったのです。私は涙を拭い、会話が録音されていることを確認しました。これで、すべてそろった。
ついに、決戦の時…不倫現場へと乗り込む
翌日の日曜日。私は、ミナを実家にあずけ、義両親…そして、千絵と一緒に、自宅へと向かいました。
探偵からは、「2人は今も家の中にいます」と報告が入っています。
「準備はいいですか?」
私の問いに、義父は厳格な表情でうなずき、義母は悲しげに…でも、決意を込めて言いました。
「由奈さん…ごめんなさい。私の育て方がわるかった…。息子にちゃんと罪をつぐなわせます」
「お義母さん…」
大和も立派な大人だ。親のせいにはできない。自分で蒔いた種を刈り取るのも、自分しかいない。
「…お義母さんたちが、私とミナの味方になってくれて、本当に感謝しています。そして、千絵…ずっと助けてくれて、寄り添ってくれて、本当にありがとう」
私は、それぞれに思いを抱えながらも、その場にいた皆が、ひとつにまとまった空気を感じていました。

