発達障害であることを告げた後に解雇…横浜地裁「障害者差別で違法」会社に80万円賠償命令

発達障害であることを告げた後に解雇…横浜地裁「障害者差別で違法」会社に80万円賠償命令

●判決「解雇は原告の人格権を侵害」

判決は、男性の解雇について、「原告が発達障害者であることを理由としてなされた差別的なものであり、原告の人格権を侵害する違法なもの」と判断し、慰謝料として50万円の支払いを命じた。

また、発達障害について、本人の同意なく同僚に伝えた、いわゆる「アウティング行為」についても、人格権を侵害するとして、慰謝料30万円の支払いを命じている。

男性の解雇はいったん、労働組合による団体交渉を経て撤回されていた。しかし、会社代表のもとで就労するよう求められたため、現在までに復職は実現していない。このため、男性は解雇撤回後の未払い賃金の支払いも求めていたが、判決では認められなかった。

●「障害者差別を正面から認めた判決」

この日の判決を受け、男性は東京・霞が関の厚労省記者クラブで記者会見を開き、次のように述べた。

「解雇が差別行為であると認められたこと自体は、当然だと思っております。しかし、復職の際の会社の対応については、裁判所の判断は十分ではないと考えています」

会見に同席した原告代理人の土田元哉弁護士は、「障害者差別を正面から認めた意義のある判決」と評価したうえで、「発達障害のようなセンシティブな情報について、職場でどう取り扱うべきか、その先例となるのではと考えています」と指摘した。

一方で、未払い賃金の請求が認められなかった点については不服として、原告側は控訴する方針だ。

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