「サイトの登録者にメッセージを送る」という副業を始め、システムに不信感と安堵を繰り返しながら、詐欺師にのせられ始めた茉紀。黙々と作業をこなしていたある日、さらなる「闇への誘い」がきて…。
「1万円払えば稼げる」に騙されて
報酬の中から一部のポイントを消費する形で、メッセージの送信可能枠が増えました。これまでより少し稼げるようになるだろうと思ったのですが、結果としてさほど変わらない状態。理由は「1度メッセージを送った相手にはもうメッセージを送れなくなる」という仕様があるためでした。作業すればするほど、送る相手が少なくなってしまうのです。作業し始めは気づかなかったのですが、作業を続けていくうちに大きな問題になってきました。
この仕様について担当者に問い合わせると、以下のような返信がきました。
「ご不便をおかけしています。この制約は他のワーカーさんも皆同じ条件ですので、基本的には新しいユーザーを見つけて送っていただく形になります。ただし、波能さまの場合は優良ワーカーさんですので、こちらの制約の解除が可能です。
最初に別途1万円をお支払いいただきますと、今後この制約がかかることはありません。他の優良ワーカーさんはほとんどの方が1万円で制限を解除されていますが、どうしますか?』
冷静に考えればおかしな話ですが、私は自分を「優良」と表現してくれていることや、1万円で今後ずっと制限がなくなるということに注目してしまい、違和感をスルーしてしまいました。当時の私は「制約がなくなればまた少しずつ稼いでお金を取り戻せる」と思ってしまっていたのです。
更なる制約解除後に、新たな業務の誘いが
結局、私は追加の1万円を支払い、更なるシステム制約の解除をしました。その後は「1万円を取り返したい」というモチベーションで、メッセージの送信に没頭していました。この時点で作業に対する報酬は決して高くはありませんでしたが、ほんの少しでも実際に収入が振り込まれることで、騙されているという自覚はできませんでした。
微々たる稼ぎを積み重ねていきながら作業を続けていたある日、担当者から「新しいお仕事をご案内したい」とメッセージが届きます。
その内容は今までよりもはるかに怪しい一方で稼ぎの期待も大きい案件。私はさらなる闇に足を踏み入れてしまうことになります―――。

