「怒られるから行きたくない」の裏にある心理は?臨床心理士・公認心理師の資格を持つ白目さんに聞いてみた

宿題のプリントが見つからず「怒られるから行きたくない」と泣き出してしまったこっちゃん。その夜はなんとかなだめて寝ましたが、翌朝も「行きたくない、行きたくない」と言っており、学校に行くのをいやがっている様子が伝わってきます。
こっちゃんは、まだ入学したばかりの1年生。その小さな胸の中にどんな気持ちが渦巻いているのか、気になる方も多いのではないでしょうか。今回は、マンガを読んで気になった疑問を、臨床心理士と公認心理師の資格を持つ白目みさえさんに質問してみました。
白目さんは、スクールカウンセラーや子どもなどの相談機関などに勤務した経験があり、現在は精神科の心理カウンセラーとして活躍する傍ら、マンガも描いています。
──このシーンの「怒られるから学校に行きたくない」という言葉の裏に、どんな心理があるのでしょうか?
白目さん:「怒られるから行きたくない」というのをもう少し厳密に表現するならば、「ここは自分が居ていい場所なのかがわからないから怖い」という不安を抱えていると考えられます。
保育園や幼稚園は、物心がつく前から通っていることが多く、「気づいたらここにいた」というような場所。そこには、言葉にしなくても感じられる『安心』があったと思います。しかし小学校に入学すると、先生も友達もルールも何もかもが変わります。そんな未知の世界に、ある日突然放り込まれるのですから、不安にならないわけがありません。何が正解なのかわからない日々の中で、自分が何かしでかして怒られようものなら、自分は一体どうなってしまうのだろうと考えてしまうのです。
私自身も小学生の頃は、6年生がとんでもなく大きく見えましたし、2年生ですらしっかりした先輩に見えていました。ついこの間まで下の子をリードする側だったはずなのに、急に「何もできない自分」になったような感覚があったのを覚えています。「小学生なんだからしっかりしなきゃ」という思いと、「失敗したときにどうすればいいのかがわからない」という戸惑いが、胸の中でぶつかっていたように思います。
そんな思いを抱えている1年生に周りの大人ができるのは、「失敗しても大丈夫」という安心感を与えると共に「困ったらこうしたらいいよ」という対処法を伝えていくことだと思います。失敗しても見捨てられない、「どうすれば」をきちんとわかっていると思えることで、学校が自分の居場所になっていくのではないでしょうか。
家では安心感と困ったときの対処法を伝えよう
小学校に通い始めてすぐは、親も子どもも緊張の日々が続きます。そんな中で学校に行けなくなると、焦って「行きなさい」と言ってしまいたくなることもあるでしょう。学校に居場所をつくるためには、子どもに安心感を与えること、そして困ったときにどうすればいいのかを伝えることが大切です。ゆっくり子どもと関わって、居場所をつくっていきましょう。【白目みさえさんプロフィール】
臨床心理士・公認心理師として精神科に勤務する年子の母で、生粋のオタク。基本的に白目をむいて育児をしていて、その様子をカルタにしたものを増産している。漫画家、ライター、イラストレーターとしても活躍中。
文=やんこ
仕事・家事・3児の育児に日々翻弄されているウェブライターです。バタバタな毎日を少しでもラクに、豊かにしてくれるライフハックが大好き!共感性の高いテーマを中心に、「あるある」「役立つ」が見つかる記事を幅広く執筆しています。実体験に基づいて、リアルな視点で情報を発信中。

