糖尿病とがんのリスク 検診の重要性についても教えて
編集部
糖尿病は「がん」にも関係があると聞きました。
佐々木先生
はい。糖尿病患者は、がんの発症リスクが高いことが多くの研究で示されています。とくに大腸がん、肝臓がん、膵臓がんなどの消化器系のがんが増える傾向があります。日本人糖尿病患者の死因の第1位ががんであることからも、両者の関係は無視できません。
編集部
なぜ糖尿病でがんが増えるのですか?
佐々木先生
はっきりした原因はわかっていませんが、高血糖やインスリン抵抗性が細胞の増殖を促すこと、慢性的な炎症が関与することなどが考えられています。生活習慣の影響も重なり、糖尿病の人はがんになりやすいとされています。
編集部
糖尿病の人は、なぜ大腸がん検診を受けるべきなのでしょうか?
佐々木先生
糖尿病そのものが大腸がんのリスクを高めます。大腸がんは早期であれば内視鏡で治療できることもありますが、進行すると開腹手術をしなければならなくなります。さらには、状態によってはすぐに手術ができないこともあるのです。糖尿病の人は症状がなくても検診を受けて早期に発見することがとても重要です。
編集部
「状態によってはすぐに手術ができない」というのはどういうことですか?
佐々木先生
がんが見つかっても血糖値が高いままでは、手術に先立って糖尿病治療を優先せざるを得ないことがあるのです。そのため、すぐに切除するべきがんが見つかっても、手術が遅れてしまうリスクがあります。だからこそ、普段から血糖を安定させておくことが大切なのです。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
佐々木先生
大腸がんは日本でがん死亡の上位を占める身近な病気です。特に40代以降は発症リスクが高まり、早期発見が重要になります。糖尿病のある人はもちろん、そうでない人も、40歳を過ぎたら大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。
編集部まとめ
糖尿病も大腸がんも、共通して大切なのは「早期発見と早期治療」です。血糖値が高いと指摘されたことのある人は、放置せず糖尿病内科を受診し、まずご自身の体の状態を確認してみてください。また、すでに糖尿病と診断されている人は、大腸内視鏡検査を一度検討されることをおすすめします。日常生活に支障がなくても、検査や受診を積極的に取り入れることが、ご自身の健康を守る大きな一歩につながります。

