東大阪・布施。商店街のざわめきを抜けて、大通りから少し外れたその一角に、ポツンと一つ赤提灯が灯る。のれんをくぐれば、ただようのは出汁の香りと、誰かの笑い声。ここは立ち呑み処「八番」。
1580円でウニが箱ごと出てくる*とか、ポテサラが120円だとか、そんな驚きもあるけれど、それ以上に、この場所にしかない“気配”がある。(*入荷状況による)
はじめましての人も、いつの間にか「また来るわ」と口にしてしまう。そんな不思議な、でも心地いい酒場。

布施のまんなかに、“うまい”の灯
午後3時、のれんが揺れる。

八番の一日が、またはじまる。大阪・布施駅から5分ほど歩いた先。商店街を抜け、大通りから少し外れたその一角に、ポツンと一つ赤提灯が灯る。そのかすかな明かりに吸い寄せられるように、今日も誰かが暖簾をくぐる。
この街では、“高くてうまい”は当たり前。“安くてうまくて早い”じゃないと、客は見向きもしない。そんななかで「八番」は、開店当初から通い続ける常連がいる店。大阪の商売人がうなるのも、納得しかない。
開店して、2時間で満席

15時の開店と同時に、ぽつぽつと人が入る。時計の針が17時を指すころには、カウンターもテーブルもぎゅうぎゅう詰め。
職人風の男性、昼飲み女子、地元のおばちゃんたち。見た目も年齢もバラバラだけど、誰もが同じ顔をしている。ほっとした顔。うれしそうな顔。
それぞれがそれぞれのタイミングで、黙って一杯を口に運ぶ。その静かな満足感が、この店の空気をつくっている。
