小さなテレビから生まれる、でっかい会話

壁には、音をひそめた小さなテレビ。画面の中では、関西芸人がしょうもないボケをかまして、スタジオが笑いに包まれている。
そのタイミングに合わせて、誰かがクスッと笑う。つられて、隣の人も“ぷふっ”と吹き出す。
目が合って、照れ笑い。そこから、なんでもない会話がはじまる。
「この間もお会いしましたね」「それ、うまそうですね」気づけば、顔見知りになっている。名前なんて知らなくても、酒場ではそれでじゅうぶん。
名物は、達筆すぎる手書きメニュー?

この店のもうひとつの名物。それは、店主の手書きメニュー。ただ、それがまあ、読めない。何が書いてあるか、解読大会がはじまるのも八番あるある。
「これ、なんて書いてると思う?」「うーん…いも?いや、ハモか!」
隣の人に聞いて、盛り上がる。わからなければ、店主に聞けばいい。それでも頼んでみたくなるのは、外れたことがないから。
