(1)キャンプ道具メンテナンスの基本のき
テントも寝袋もファニチャーも、メンテナンスの基本はシンプルで「汚れを落とす」「よく乾かす」の2点のみ。日本は湿気が多いので、濡れたまま収納するとカビが発生しやすく、また、長く放置すると加水分解により劣化が進む。よく干して、湿気の少ない場所に収納しよう。
メンテナンスの基本は乾燥と汚れ落とし!

とはいえ雨キャンプの後も雨が続くと、干すこともままならない。そんなときはせめて水分を拭き取っておこう。
また、軽さと強度を両立させるテクニカルな素材を使った素材が多く、これらは紫外線によって劣化が進みやすい。よく乾燥させることは大切だが、干すときは直射日光が当たらない場所に広げたい。
テントはフロアも乾燥させる

乾いているように見えても、地面にはわずかに水分が含まれている。そのため一晩たてば、テントのフロア裏はしっとり濡れている。フライシートの裏側にも、呼気と地面の湿気の影響で水滴がびっしり付着するので、よく乾かしてから片付けよう。
ペグを抜いてテントをひっくり返すとフロアを乾かしやすいが、半面、風で飛ばされてしまう危険がある。2カ所ほどペグで仮止めして飛ばないようにしておくと安心だ。
紫外線を避けて陰干しを

アウトドアで使うキャンプ用の道具であっても、紫外線は繊維を傷める原因。使ったあとはしっかり乾燥させたいが、日なたではなく陰干しのほうがダメージは少ない。乾燥機の使用は、生地の素材によるので説明書を確認しよう。
汚れを落としてから拭く

キャンプの後は泥やほこりがたまりがちなので、かたく絞ったぞうきんで拭き取る。ひどい汚れは薄めた洗剤を使うのも効果的だ。あとは乾いた布で水気を拭き取り、乾燥させてから収納しよう。
余裕があれば!
テント&タープの汚れ落とし+はっ水剤の塗布

テント、タープ、防水バッグなどは何度も使っているとはっ水効果が薄れてくるので、定期的にはっ水剤をかけておこう。自宅でメンテナンスするなら、専用の洗剤で汚れを落としてからはっ水剤をかけると効果大。

素材にあったはっ水剤を吹き付けることも重要だ。コットン製テントにはコットン用はっ水剤、化繊テントには化繊用はっ水剤を使おう。
テントやタープの素材を確認し、専用の洗剤を薄めて汚れを落とす。洗剤を使うので、洗う場所には十分配慮しよう。
(2)テント・タープのお手入れと正しい保管方法
■ テントを手入れする際の基本
テントのメンテナンスは「汚れ落とし」「乾燥」「保管方法」の3ステップを押さえておくだけで、だいぶスムーズに進められる。ここからは、具体的にどのように手入れを行うべきかを解説していく。
①汚れ落とし
どのような汚れがあるか
キャンプ場は砂利や土、草、木の樹液など、テントの生地に付着する汚れが多い。特に濡れた地面だと泥汚れが付きやすく、雨が降った後はドロドロになりがちである。

また、落ち葉や砂埃も気づかないうちにテント内部に入り込んでしまい、生地表面だけでなくフロアやポールの接続部など目立たない部分に汚れが溜まる場合がある。
正しい汚れ落とし方法と注意点
汚れを落とすときは、まずテント全体を広げて大まかな泥や砂を払い落とす。
その後、濡らした雑巾やスポンジに薄めた中性洗剤を含ませて、汚れを拭き取っていくのが一般的。ポイントとしては以下のとおりである。
・熱湯をかけたりするのは避ける(生地やコーティングを傷める可能性がある)
・なるべくテント専用洗剤を選ぶ(撥水加工を剥がさないため)
・泥や樹液の頑固な汚れは、無理にゴシゴシせず、専用クリーナーを使ってゆっくりと落とす
・洗剤成分を残さないようにしっかりと洗い流すか水拭きする
落としにくい汚れに対して力任せにこすると、生地が破れたりコーティングが剥がれてしまう恐れがあるため、丁寧に落としていくのが肝心である。
②使用後の乾燥

自然乾燥の重要性
ひととおり汚れを落としたら、しっかりと乾燥させたい。
また、目立った汚れがない場合でも、夜露や結露によってテントの生地やフロア部分に水分が溜まっていることが多い。
そのまま畳んで持ち帰ると、湿気がこもってカビの原因になるため、キャンプ場で時間があるときはなるべく広げて乾燥させることが望ましい。
陰干し推奨
テントの生地は防水コーティングが施されていることが多く、強い日差しに長時間さらすとコーティングが劣化しやすい。そのため、風通しの良い日陰で陰干しするのがベスト。
もしキャンプ場で十分に乾かす時間が取れない場合は、帰宅後に再度陰干しを行うとよい。
③テントの保管方法
保管場所の選び方
テントは乾燥させた後、日光が当たらず湿度の低い場所で保管するのが理想的である。長期間しまう場合は、風通しが良い室内が望ましい。
外の倉庫に直接放置すると温度差や湿気の影響を受けやすく、カビや生地劣化を招きやすくなる。また、虫が入り込む危険性もあるので、できれば避けたい。

正しい畳み方
テントを畳むときは、購入時の折り目を必ず再現しなければならないわけではない。
毎回同じ折り目を付けていると、特定の部分だけダメージが集中する場合があるため、適宜折り目をずらしながら畳むのが長持ちさせるコツである。
ポールやペグもきれいに拭いて乾燥させた上で、同じ収納ケースにまとめて入れるようにすると紛失防止にもなる。
■ 撤収ついでにやっておきたいメンテナンス
キャンプ道具の中でももっともビッグなテントとタープ。自宅で広げるのはかなり大変なので、できる限りキャンプ場での撤収時に手入れをしながら収納袋に詰めたいもの。ペグの曲がり修正、オイルアップなどはさほど時間がかからないし、はっ水剤を吹き付けるのもすぐに終わる。次に使用することを考えながら撤収しよう。
ポールやフレームの泥詰まりを取り除く

地面に置いた拍子に、ポールの中に泥が詰まってしまうことがある。乾いた泥は、ポールを軽く振るだけでぽろっと落ちる。湿った泥は掻き出して。接続部の汚れはきれいに拭き取っておこう。
金属ペグの曲がりを修正

硬い地面に力づくでペグを打つとペグがぐんにゃり。プラスチック製では無理だが、アルミ、鉄、ステンレスのペグは少しの曲がりであれば修正可能。平らな石に載せてハンマーでたたけば復活する。

一度曲がったものは強度が落ち、曲がりやすくなる。なお、T型やX型のペグは修復できない。
接続部をオイルアップ

ポールの接続がきっちりできないと、破損の原因になりかねない。ポールの汚れを落としたら、確実に奥まで接続できるよう潤滑油を塗布しておく。余分な油は拭き取っておくこともお約束だ。
ロープはからまないように1本ずつまとめる

張り綱や予備ロープは、1本ずつまとめておくとテント設営時にイラッとしない。ほつれや自在金具の割れに気づいたら取り替えて。テントやタープに結んだままでもいいが、そのときも1本ずつ結んでおこう。

手のひらを使い、八の字を描くようにまとめれば、次に使うときにからまりにくい。
ファスナー部分に潤滑油を塗布

テントの出入り口にあるファスナーの動きが悪いと、それだけでストレスになる。生地やメッシュをかむ原因にもなりかねない。定期的に専用の潤滑油を塗っておこう。固形のろうそくを薄く塗っても同様の効果あり。
■ メンテナンスを怠るとどうなる?

テントは屋外の厳しい環境下で使用されるため、汚れや湿気の影響を受けやすいアイテムだ。
とりわけ、キャンプ中は天候の変化に対応できる耐久性が求められ、雨や風、地面の汚れなどによって状態が変化する。手入れを怠ると次のようなリスクがあるため、定期的なメンテナンスは欠かせない。
テントの大敵はカビ
テントは防水や撥水加工が施されているとはいえ、濡れたまま放置したり、泥汚れをそのままにしてしまうとカビが生えやすくなる。
カビはテントの外観を損ねるだけでなく、生地の繊維を傷める要因となり、防水性能の低下にもつながる。
また、テントの縫い目やポールスリーブなどに汚れが溜まると、縫製部分の劣化を早めてしまう恐れがある。
結果的にテントの寿命が大幅に短くなる可能性があるため、適切な手入れの重要性は高い。
メンテナンスで寿命が伸びる

テントを清潔に保ち、しっかり乾燥させることで、カビや悪臭の発生を防ぎ、防水・撥水機能の持続にもつながる。
さらに、使用後にしっかり点検することで小さな破損や劣化を見つけやすくなり、早めにリペアやコーティング処理を施すことができる。
こうした地道なメンテナンスの積み重ねが、テント本来の性能を長期間維持するカギとなる。

