●デジタルタトゥーの恐怖
さらに警戒すべきなのは、SNS時代の「デジタルタトゥー」のリスクです。
万引きの様子が防犯カメラに記録され、その映像がSNSなどで公開されるケースがあります。またたく間に拡散されてしまう危険性があります。
「子どものプライバシーを保護し、更生を促すため、少年の実名報道は原則として禁止されています。しかし、動画が出回ってしまえば、そうした法的保護は意味をなさなくなってしまいます。
何年後、何十年後であっても、本人の名前を検索すると表示される『デジタルタトゥー』として残り続ける可能性があります。将来の就職や進学に、長期的な不利益をもたらしかねない深刻な問題です」
保護者や教育者には、万引きを「SOSのサイン」と受け止めて対応する姿勢が求められます。同時に、子どもたち自身にも、デジタルタトゥーなどのリスクについて丁寧に伝えていく必要があるでしょう。
【プロフィール】 須藤明(すどう・あきら) 1982年4月から2010年3月まで家庭裁判所調査官。 その後、大学で教鞭をふるい、2022年4月から現在は文教大学人間科学部教授。著書に「学校関係者のための非行心理学入門」(金子書房)など。

