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「心房細動のリスクを抑える食事」をご存じですか? 12年の調査で判明した食品と2つの栄養素を医師が解説

「心房細動のリスクを抑える食事」をご存じですか? 12年の調査で判明した食品と2つの栄養素を医師が解説

国立循環器病研究センターの研究者らは、大豆、イソフラボン、ビタミンK摂取と心房細動リスクの関連性について調査しました。その結果、女性では納豆やビタミンKの摂取量が多いほど心房細動のリスクが低下する傾向がみられました。心房細動は脳梗塞を招く恐れのある身近な不整脈ですが、日々の食習慣がその予防にどう関わるのか。本研究は約12.6年に及ぶ追跡調査により、性別による差異や特定の発酵食品の有用性を浮き彫りにしました。この内容について後平医師に伺いました。

※2026年1月取材。

後平泰信

監修医師:
後平泰信(医療法人徳洲会札幌もいわ徳洲会病院)

2009年に旭川医科大学医学部を卒業。循環器内科のスペシャリストとして、長年、札幌東徳洲会病院を中心に救急医療や心疾患の治療に従事。2023年には睡眠・無呼吸・遠隔医療センター長を歴任し、最新技術を用いた診療体制の構築に尽力。2024年より病院長に就任し、2025年10月の「札幌もいわ徳洲会病院」への名称変更。日本循環器学会 認定循環器専門医。日本睡眠学会 総合専門医・指導医。日本スポーツ協会公認 スポーツドクター。日本内科学会 認定内科医。

研究グループが発表した内容とは?

編集部

国立循環器病研究センターの研究者らが発表した内容を教えてください。

後平泰信先生

今回紹介する研究報告は、国立循環器病研究センターの研究者らと、海外の研究者を含む国際的なチームによって発表されました。

この研究は、大豆食品やイソフラボン、ビタミンKなどの栄養素と心房細動の発症との関連を明らかにすることを目的としておこなわれました。30〜90歳の男女5278名を対象に、食品摂取頻度調査と健康データをもとに、約12.6年間追跡調査が実施されました。その結果、222名が心房細動を発症しました。解析の結果、女性では納豆の摂取量が最も多い群で、最も少ない群と比べて心房細動リスクが有意に低下していました。

一方、男性では納豆摂取量との関連は認められませんでした。また、男性では中等度の味噌摂取量と心房細動リスクの低下に関連がみられました。さらに、女性ではビタミンKの摂取量が多いほど心房細動リスクが低くなる傾向が確認されました。しかし、豆腐や大豆、イソフラボンなどの総摂取量と心房細動との間には、男女ともに明確な関連はみられませんでした。以上より、納豆やビタミンKの摂取が、特に女性において心房細動予防に役立つ可能性が示唆されました。

研究テーマになった心房細動とは?

編集部

今回の研究テーマに関連する心房細動について教えてください。

後平泰信先生

心房細動は、心房が十分に収縮せず細かく震えることで脈が不規則になる不整脈で、臨床現場で多くみられる病気です。動悸や息切れ、倦怠感などの症状が表れることがありますが、無症状のまま健康診断で見つかる場合もあります。高齢になるほど発症しやすく、日本の高齢化に伴い患者数は増加しています。心房細動で特に注意すべきなのは、血栓ができて脳梗塞を引き起こすリスクが高まる点です。

診断には心電図検査が必要で、症状が不定期な場合は長時間記録する検査がおこなわれます。治療では抗凝固薬による脳梗塞予防や薬物療法、カテーテル治療などが検討されます。日頃から生活習慣を整え、異変を感じたら早めに医療機関を受診し、主治医と相談しながら適切な治療と予防に取り組みましょう。

配信元: Medical DOC

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