医師が実践する「慢性腰痛」の予防法。姿勢・運動・ストレス対策とは

医師が実践する「慢性腰痛」の予防法。姿勢・運動・ストレス対策とは

高齢化が進むにつれて、腰痛を訴える人は増えています。何をしても良くならないと嘆いている人も多いのではないでしょうか。身体のプロである整形外科医は、腰痛予防のためにどんなことをしているのか気になりますよね。「入船整形外科リハビリテーションクリニック」の稲田先生に、日常生活でできる腰痛の予防法を伝授していただきました。

稲田 大悟

監修医師:
稲田 大悟(入船整形外科リハビリテーションクリニック)

琉球大学医学部卒業。その後、千葉大学医学部附属病院、川鉄千葉病院(現・千葉メディカルセンター)、君津中央病院、聖隷佐倉市民病院に勤務、千葉県救急医療センター(現・千葉県総合救急災害医療センター)整形外科部長を務める。2023年、千葉県浦安市に「入船整形外科リハビリテーションクリニック」を開院。医学博士。日本整形外科学会専門医・認定脊椎脊髄病医、日本脊椎脊髄病学会指導医、日本リハビリテーション医学会専門医・指導医。

編集部

慢性腰痛の場合、どのようにしたら腰痛を予防することができますか?

稲田先生

まず大事なのは、姿勢に気をつけるということです。特に座っているときの姿勢が悪いと、腰に負担となることが多くなります。また、腰への負担を軽減するため、「中腰の姿勢を長く取らない」「ハイヒールを履かない」といった心がけも重要です。

編集部

そのほか、腰痛予防のために必要なことはありますか?

稲田先生

腰痛はストレスとも関連があり、心理的ストレスが強いと腰痛の症状も悪化することが判明しています。これは、ストレスが脳に与える影響が原因と考えられています。ストレスが溜まりがちな場合には、上手に発散する方法を見つけてストレスを溜めないように気をつけましょう。また、適度に運動したり、ストレッチしたりすることも腰痛の予防には必要です。

編集部

身体のプロである先生は、どのようにして腰痛を予防しているのですか?

稲田先生

私自身は、診察中でも1時間に1回は立ち上がって、腰を伸ばすということを日頃から心がけています。これだけでも腰の疲労が取れ、腰回りの筋肉がストレッチされます。

編集部

ほかにはありますか?

稲田先生

毎朝、クリニックまで徒歩で通勤しているのですが、そのときに腹筋を意識した歩き方をしています。現代人はどうしても骨盤が後傾し、腹圧が抜けがちです。しかし、腰の安定性を保ったり、腰の負担を軽減したりするためには、腹筋が必要です。そのため、歩いているときから自然と腹圧を意識することが、腰痛予防につながると考えています。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

稲田先生

腰痛自体はありふれた症状で、多くの場合、心配はいりません。しかし、なかには病気が隠れていることもあります。なかなか腰痛が治らない場合はぜひ、整形外科に相談してください。腰痛自体は慢性的なものが多く、上手に付き合っていかなければならないものもあります。整形外科を受診すれば、腰痛との付き合い方に対してアドバイスももらえますから、ぜひ、「わざわざ腰痛くらいで病院なんて……」と思わず、気軽に受診してみてください。

※この記事はMedical DOCにて<整形外科医が伝授する「日常でできる腰痛予防」 腰の痛みの原因・対処法も解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

配信元: Medical DOC

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